「高速・大容量」「低遅延」「多接続」の5G(第5世代移動通信システム)で、人々の仕事や生活はどう変わるのか。特集の4回目では、IoTの展示会「CEATEC JAPAN 2018」で見えてきた、建築現場の安全や街づくり、スポーツやエンターテインメントなど5Gの具体的な活用例を紹介する。

CEATEC JAPAN 2018の会場でNECが展示した街灯型の5Gアンテナ。自治体と連携して5Gを利用した地域サービスを提供するといった用途も想定する
CEATEC JAPAN 2018の会場でNECが展示した街灯型の5Gアンテナ。自治体と連携して5Gを利用した地域サービスを提供するといった用途も想定する

 NTTドコモとコマツがそれぞれのブースで展示していたのは、5G通信を使った建機の遠隔操作システム。多数の画面とコントローラーを備えた操縦席から、会場の幕張メッセ(千葉市)と8km離れたコマツの実験場のブルドーザーをリアルタイムで動かす様子を見せた。

コマツが展示した5Gを利用したブルドーザーの遠隔操作システム。取材当日は通信の調子が悪く、実際に5Gで操作をしているところを見ることはできなかった
コマツが展示した5Gを利用したブルドーザーの遠隔操作システム。取材当日は通信の調子が悪く、実際に5Gで操作をしているところを見ることはできなかった

ベテランの技で遠隔操縦

 工事現場さながらに土砂が小山を作っている実験場の端に5Gの基地局とアンテナを設置している。ブルドーザーの屋根に取り付けた5Gの移動局で、操作コマンドを受け取り、映像データを送信する。「遅延は100ミリ秒程度。ベテランの操縦者でなければ、ほとんど違和感を感じない」(NTTドコモ5Gイノベーション推進室5G無線技術研究グループの志水紀之氏)という。従来の4Gの場合では「遅延は1秒弱。通信が混雑していれば遅延は2秒程度」(志水氏)で、操作のしやすさには大きな違いがあるという。

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