社会課題重視でエリア拡大

 次に投げかけられた問いは「通信エリアはどう広がるか」。通信事業者が新しい通信方式の基地局やアンテナを設置するには、膨大な投資が必要となる。サービス開始当初は十分な5Gの通信エリアを全国に広げることは難しいと考えられる。現時点では「必要とされるところにエリアを作っていく」(NTTドコモの中村氏)、「なるべく早く全国津々浦々に整備したい」(KDDIの宇佐見氏)と述べるにとどめた。

 4Gが開始となったときには、各通信事業者が人口密集地域の都市部で競うように基地局の整備を進めた。5Gでは、通信事業者はそんな激しいエリア獲得競争は想定していないことをにおわせた。「5Gは社会課題の解決のため、本当に必要なところで使うというのが大きな方向性」(NTTドコモの中村氏)として、必ずしも人口密集地域での面展開を優先するわけではないという考えを示した。例えば、山間の過疎地でお年寄りを送り迎えするための遠隔操縦バスが必要となれば、そうした場所にも5Gの基地局を整備する可能性があるということだ。

 最後の話題は「業務用途で5Gの料金はどうなるか」。IoTなど業務向けの利用を拡大するとなれば、個人向けと同程度の月額料金ではコスト面で見合わない可能性がある。企業との協業を進めるうえでは「料金は柔軟性を持たせる」(ソフトバンクの野田氏)という声の他、「モバイルエッジコンピューティングを活用すれば通信量は減らせるかもしれない」(KDDIの宇佐見氏)と全体の付加価値を高める提案をしていく意向を示した。

※次回は11月5日に公開予定


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