2018年11月28~29日に開催しているイベント「日経クロストレンド EXPO 2018」の会場(東京国際フォーラム)では、10.1型画面を搭載した米アマゾン・ドット・コムの音声操作デバイス「Echo Show」を展示中だ。18年12月12日発売の新機種で、レシピの表示といったスキル、検索や動画の再生、家電連携などをいち早く体験できる。
Echo Showは音声で操作できるスマートスピーカー「Amazon Echo」シリーズの新製品。日本では17年に発売し、18年6月には丸型画面を搭載した製品が登場した。12月に発売となるEcho Showはタブレット端末と同様のタッチパネルを搭載して用途を拡大。背面に高音質スピーカーを備え、動画コンテンツも楽しめる。価格は2万7980円(税込み)。
会場の主催者企画「明日の部屋」などでは、小型のEcho Dot、大型スピーカー付きのEcho Plus、丸型の画面を搭載したEcho Spotと並び、Echo Showが動作する様子を見せており、多くの来場者が使い勝手を試していた。
大画面を搭載したことで想定される用途といえば、手がぬれていることが多い料理中の情報検索だ。実際に会場でレシピ動画サイト「デリッシュキッチン」のEcho Show対応スキルを試してみた。「アレクサ、デリッシュキッチンを開いて」と呼ぶと画面にメニューが表示され「おすすめのレシピ、あなたが食べたい食材、料理名で検索できます」と返ってくる。「今日のおすすめ」と答えて表示したい料理を番号で答えると動画を再生できる。動画を見ながら、手順を確認したい場合は「アレクサ、10秒戻して」というと巻き戻せるのが便利だ。
料理の他には、ディズニーの絵本アプリ、出前アプリの「出前館」などがEcho Showの大画面表示に対応するという。
熱心に説明員の話を聞いていた東京都在住の自営業男性は「スピーカーだけのものや小さい画面のものは出ていたが、情報量が大きな大画面の製品を待っていた」と話す。使ってみたい用途を聞くと「純粋に調べ物がしたい」。パソコンやタブレットでも同じ使い方はできるが「家族と対話をしながら使うなど、別の使い勝手や雰囲気を楽しめるはず。ぜひ購入してみたい」と期待する。
照明、プリンター、給湯器等とも連携
会場ではEchoシリーズと連携できる家電の展示もあった。アイリスオーヤマは18年12月に発売する天井用照明を見せていた。実売価格は約1万5000円。「無線LANの通信機能を電源ユニットと一体化することで低価格にした」と説明員は話す。無線LANでEchoとつながり、「リビングの明かりをつけて」「電球色にして」などと音声で操作できる。買い物帰りで手が塞がっているときや、就寝前の消灯で重宝しそうだ。
キヤノンは18年秋に公開したプリンター用のスキルを展示した。音声操作で「塗り絵」「ナンプレ」「チェックリスト」などテンプレートを印刷できる他、別のスキルから写真を印刷するなどスキル間の連携機能も備えている。この他にも、ソニーのテレビ、リンナイの風呂給湯システム、ティーピーリンクジャパンの電源プラグなどがEchoシリーズと接続して音声操作する様子を見せていた。
日経クロストレンド EXPO 2018は29日まで開催。29日10時からはアマゾン・ドット・コムのデバイス部門Smart Home事業担当バイス・プレジデントのダニエル・ラウシュ氏が「Amazonが創る音声ファーストの未来 ~ 日常生活に浸透し、快適な日々を支える存在となる音声ファースト ~」と題し、日経クロストレンド EXPO 2018の会場で講演する。