セル内の数値を切り上げる「ROUNDUP」関数。基本的な使い方に加えて、仕事に役立つ実例も紹介する。
切り上げの端数処理をするROUNDUP(ラウンドアップ)
数値に対して四捨五入したり、切り上げ・切り下げ(捨て)したりすることを端数処理と呼ぶ。Excelには端数処理を実行する関数が用意されており、今回紹介するのは切り上げを実行するROUNDUP関数。経理部門だけでなく、売上推移グラフなどを作る営業部門でも、細かい数字を丸めることはよくあるはずだ。ちなみに四捨五入は「ROUND」関数、切り捨ては「ROUNDDOWN」関数で実行する。
使い方のカギは、下の書式にある「桁数」に指定する数値。これによって、どの位で端数処理をするかが決まる。なお「桁数」の詳細は、「【Excel時短術】仕事に効くROUND関数の使い方 数値を指定した位で丸める(四捨五入)」を参照してほしい。
書式
書式 | ROUNDUP(数値,桁数) |
---|---|
数値(必須) | 切り上げの対象となる数値を指定する |
桁数(必須) | 切り上げした結果の桁数を指定する |
基本的な使い方
ROUNDUPを使いこなすポイントは「桁数」の指定だ。下図を例に「3.87」という数値を小数点第一位までに切り上げる場合と整数に切り上げる場合を考えてみよう。
「B2」セルに小数点第一位で切り上げた結果を表示するには、「数値」に「3.87」が入力された「B1」と記載し、「桁数」には「1」と入力する。するとB2セルには「3.9」と表示される。一方、B3セルに整数に切り上げる場合を表示するには、「桁数」を「0」と指定する。
「桁数を0にすると整数になる」ということと、それを基準に小数点側には1、2、3…と増えていき、整数側にいくと-1、-2となっていくことを覚えておけばいい。基本的な使い方は四捨五入のROUND関数、切り下げのROUNDDOWN関数と同じだ。
【仕事での使い方】100円未満を切り上げる
繰り返しになるがROUNDUP関数の使い方のポイントは、処理の対象となる位を指定する引数「桁数」の書き方。100円未満で切り上げたいので「桁数」には十の位を指定する「-2」を指定する。
「テニス」の会員価格をD3セルに表示するには、まず一般価格から15%引きの価格を計算しておく。C3セルに「=B3*0.85」と記載。このセルを下にドラッグすれば「卓球」や「ゴルフ」の15%引きの価格が求められる。
十の位で切り上げした価格をD3セルに表示してみよう。ここでは「数値」に「C3」、「桁数」に「-2」を指定すればいい。15%引きの価格が「1530円」なので、十の位で切り上げした結果(1500円)が表示される。「卓球」や「ゴルフ」の価格も同様に表示できる。