条件に合ったセルだけを合計する「SUMIF」関数。表の集計には必須の関数で応用範囲も広い。基本的な使い方に加えて、仕事に役立つ実例も紹介する。

特定のセルだけ合計したいときに役立つSUMIF(サムイフ)

 経費の支出一覧などを作ったとき、名目や担当者ごとに合計金額を集計したいといった場面は多い。いちいち手で計算していては面倒だしミスが怖い。そんなときはSUMIF関数の出番。条件に合ったセルを抽出し、その合計を瞬時に計算できる。

 SUMIF関数があれば大きな表を作っても簡単に集計できるので、ビジネスパーソンが確実に覚えておきたい関数のひとつだ。

書式、検索条件

書式 SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲)
範囲(必須) 検索条件の対象になるセルの範囲を指定する
検索条件(必須) 合計する条件を指定する
合計範囲(省略可) この範囲の合計を求める。省略すると引数「範囲」が合計範囲になる

基本的な使い方

 例えば下図を例に、経費の一覧から名目が「電算費」の金額だけを抜き出して合計することを考えてみよう。

 E2セルに「電算費」だけの金額の合計を表示する。まずは「検索条件」の対象になるセル範囲を指定する。ここでは「名目」が「検索条件」となるので「範囲」としてA2からA10セルを指定する(A2:A10)。その中から「電算費」を抜き出したいので、「検索条件」に「電算費」と入力された「D2」を指定。合計したい金額の入ったセル範囲であるB2からB10を「合計範囲」とする(B2:B10)。そうすれば、E2セルに電算費の合計である3000円が表示される。

上表で、「電算費」の合計を求める。「=SUMIF(A2:A10,"電算費",B2:B10)」と記述しても結果は同じだが、セルで指定することで「D2」を「資料代」や「消耗品」に変更すれば、それぞれの合計をすぐに求められる
上表で、「電算費」の合計を求める。「=SUMIF(A2:A10,"電算費",B2:B10)」と記述しても結果は同じだが、セルで指定することで「D2」を「資料代」や「消耗品」に変更すれば、それぞれの合計をすぐに求められる

【仕事での使い方】条件に合ったセルだけの合計を求める

特定の名目だけの金額の合計を求めたいことはよくある。こんなときは、SUMIF関数の出番。ある条件に合致したセルだけを抽出し、その合計を計算できる
特定の名目だけの金額の合計を求めたいことはよくある。こんなときは、SUMIF関数の出番。ある条件に合致したセルだけを抽出し、その合計を計算できる

 経費一覧を作成し、名目別の合計金額を求める。基本的な使い方で紹介した方法で集計できるのだが、きちんと表示されるには「絶対参照」を利用する必要がある。

 最初に「電算費」を基本的な使い方と同じように集計する。その後「資料代」「消耗品」の合計も同じだと思って、G3セルをドラッグでコピーすると正しく表示されない。合計金額を表示するセルの位置が変わってしまったために、「範囲」と「合計範囲」の指定がずれてしまうためだ。

 これを避けるには「電算費」の合計金額を表示するG3セルで、あらかじめ「範囲」と「合計範囲」を絶対参照で記述するのがポイント。絶対参照にすることで常に「範囲」と「合計範囲」を、それぞれB3からB11($B$3:$B$11)、D3からD11($D$3:$D$11)に固定できる。これをドラッグでコピーすればいい。

名目が「電算費」の金額だけを合計するには、「検索条件」に「電算費」と入力したF3セルを、「範囲」に名目が書かれたB3~B11セルを、「合計範囲」に金額のD3~D11セルをそれぞれ指定すればよい。「$B$3」といった表記を「絶対参照」といい、コピーしてもセル範囲がずれない。ここでは絶対参照で記述しているため、セル範囲がずれることなく「資料代」や「消耗品」の合計金額を求めることができる
名目が「電算費」の金額だけを合計するには、「検索条件」に「電算費」と入力したF3セルを、「範囲」に名目が書かれたB3~B11セルを、「合計範囲」に金額のD3~D11セルをそれぞれ指定すればよい。「$B$3」といった表記を「絶対参照」といい、コピーしてもセル範囲がずれない。ここでは絶対参照で記述しているため、セル範囲がずれることなく「資料代」や「消耗品」の合計金額を求めることができる
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