条件に合ったセルの数を集計する「COUNTIF」関数。覚えておけばかなり応用の利く関数だ。基本的な使い方に加えて、仕事に役立つ実例を2つ紹介する。
表からの集計作業に役立つCOUNTIF(カウントイフ)
大きな表を必死に作ったのはいいけれど、そこからの集計作業に頭を悩ますケースは意外に多いもの。でも安心してほしい。Excelには数多くの集計用の関数が用意されており、今回紹介するCOUNTIF関数はその代表例。条件に合ったセルの数を合計する関数で、多数決はもちろん、会員名簿から属性(性別や住所)ごとの人数を集計するといったことに活用できる。また条件には「100以上」「100以外」「『東京都』で始まる」といった設定が可能なので、身に付けておくとかなり応用が利く関数だ。
書式、検索条件
書式 | COUNTIF(範囲,検索条件) |
---|---|
範囲(必須) | 個数を数えるセル範囲を指定する |
検索条件(必須) | 条件を文字列やセル、式などで指定する。文字列や式で指定する場合は「"」(ダブルクォーテーション)で条件を囲む必要がある |
基本的な使い方
下図を例に名簿から男性の人数を集計し、その合計をE2のセルに表示する場合を考えてみよう。「範囲」は性別が入っているセルなのでB2から下にB6までを指定する(B2:B6)。「検索条件」は「男」など文字列で指定してもよいが、ここではセルの値を検索条件にしてみた(D2)。D2のセルには「男」と入力されているので、「男」と入力されているセルの数がE2のセルに表示される。
【仕事での使い方1】新規会員が100人以上の支店数を数える
値が100以上のセルを数えたい──。こんなときに使うCOUNTIF関数の「検索条件」の設定方法を紹介する。
「検索条件」に「~以上」「~未満」といった数値の大小を指定するには、「=」や「>」などの記号を使う。今回のように「100以上」の場合は、「">=100"」のように記載する。この条件式は「"」(ダブルクォーテーション)で囲む必要があるので注意しよう。また、セルに入力された数値を「検索条件」に使うときは、演算子である「&」で「=」や「>」とセルをつなぐ必要がる点に注意してほしい(下表の「D2セルの値以上」を参照)。
検索内容 | 検索条件の文字 |
---|---|
100と等しい | "=100" |
100以上 | ">=100" |
100より大きい | ">100" |
100以下 | "<=100" | 100より小さい(未満) | "<100" | 100以外 | "<>100" | D2セルの値以上 | ">="&D2 |
【仕事での使い方2】住所が「東京都」の人数を調べる
実例1では、COUNTIF関数を使って、指定した数値の範囲に一致するセルを数える方法を紹介した。では、上図の表で住所が東京都の人数を調べるにはどうすればよいか。「検索条件」を「東京都」としても、一致しないので数えられない。
しかし、心配は無用。「*」という記号を使うと、「~で始まる」「~を含む」といった「検索条件」も指定できるのだ。「東京都で始まる」なら「東京都*」と指定すればよい。
検索内容 | 検索条件の文字 |
---|---|
「東京都」と等しい | "東京都" |
「東京都」で始まる | "東京都*" |
「東京都」を含む | "*東京都*" |
「東京都」で終わる | "*東京都" | D3セルの文字で始まる | D3&"*" | D3セルの文字を含む | "*"&D3&"*" | D3セルの文字で終わる | "*"&D3 |