BtoB企業が一般消費者向けの市場に乗り出す例が増えているものの、商品をどう見せるのか、消費者とどう接点を作ればいいのかに悩む企業も多い。日東電工グループで消費者向けの商品を手掛けるニトムズは、そうした状況をクリエイターの力により打開した好例だ。
おもてなしの心でブランドを表現する
日東堂の外観。のれんの文字「日本の藝と道具」にもこだわった。「藝」という文字は技術を意味する「工芸」だけでなく「藝(う)える」とも読み、「植える」という意味も含まれるという。世界に誇る日本の技術を世界に植えていくという意図があり、京都の小さな店から、世界中へ広めていきたいとの願いを込めている。左から大熊健郎氏、小川弘純氏、ニトムズの田中太社長、水野学氏
京都・八坂に新たな拠点
日東電工は粘着テープなどの包装材料や半導体関連材料を開発しており、ニトムズは消費財開発の部門が独立した企業。ニトムズのヒット商品である粘着テープを活用した掃除用具「コロコロ」も、実は日東電工の技術を基本に活用したものだ。独立して既に約40年が経過するが、日東電工グループとして「Nitto」のロゴを共有するなど、足並みをそろえたブランディング戦略を推進している。
ネット販売の活用で、BtoB企業も消費者との距離を縮めやすい環境にはなったが、販売を流通側に任せるだけでは、消費者の情報は入手しにくいし、自社をアピールすることも難しいだろう。
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