長谷川工業は、はしごや脚立、足場など「高いところで作業するための道具」の専門メーカーだ。かつては売り上げを伸ばしても、さっぱり利益が出ない状態だった同社が、自社のブランド価値を高めるために開発した「インテリアになる脚立」とは?

 長谷川工業の商品は一般消費者が家庭での作業用に買うこともあるが、どちらかというと建築・建設現場や農作業・園芸などの業務向けが主な用途だ。「正確な統計を取るのは難しいが、自社製品の7割が業務用に使われていると推定している」と長谷川義高副社長は言う。

はしごや脚立の新しい姿を提案しイメージを変える
はしごや脚立の新しい姿を提案しイメージを変える
「ルカーノ」は、畳んだときにも自立し、置き場所を選ばない。カラーは4色で、ステップ数の異なる1段(8000円)、2段(1万2000円)、3段(1万8000円)の脚立がある。同シリーズにははしご「ルカーノラダー」(9万~10万3000円)もある(いずれも税別、以下同)。デザインはメタフィスのムラタチアキ氏
[画像のクリックで拡大表示]

 同社はこれまで、内外のデザイナーと共に、多様なデザインの製品づくりに取り組んできた。例えば2017年12月に発売した「Hasegawa New Design Proライン」は独f/pデザインのフリッツ・フレンクラー氏を起用したシリーズ。最上部にコーポレートカラーの赤をあしらい、一目でハセガワブランドの製品であることを印象付け、ブランド認知向上を狙ったフラッグシップモデルだ。18年のグッドデザイン賞を受賞した。

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。