デンソーのデザイン部は、メーカーのデザイン部という枠に収まらないユニークな活動を続けている。企業や技術をアピールするために展覧会を開いたり、独自に企業広告を制作して展開したり、社員が使うグラフィックコミュニケーションツールを設計したりと、その活動は幅広い。

技術者が考える理想像を可視化
技術者が考える理想像を可視化
次世代の自動車用電子制御ユニットのシリーズ「ELEXCORE」のコンセプトモデル。従来デザイナーが手掛けなかったこうした人目に触れない製品も、デザイナーが関与することでブランド価値向上につながる

 デンソーは自動車部品メーカーでは世界トップの企業でありながら、一般消費者には企業活動の内容が見えにくい。いかに高度な技術が込められた製品でも、ボンネットの内側に収められて黙々と働く裏方で、表に出ることは少ない。「日本のものづくりに元気が無くなってきている今、我々のものづくりの企業風土を積極的に発信して、“もっと胸を張ってものづくりをしていこう”というメッセージを、社内にも、また日本のものづくりに携わる人々にも伝えたかった」と名木山景デザイン部長は言う。

すべて手作りの展覧会

 まず最初に「練習試合」(名木山部長)として取り組んだのが、企業を紹介する展覧会だ。と言っても、製品を展示してパネルで解説するといったありきたりなものとは訳が違う。社員デザイナーがそれぞれカメラを持って社内を巡り、「これはデンソーらしい」「ぜひみんなに伝えたい」という場面を切り取ってくる。ある人は、一見乱雑なようで実はきちんと理にかなった配置になっている技術者の机の上を撮影して技術者の几帳面さを伝え、ある人は先輩を見つめる若手技術者の鋭い目付きを捉え、技術を吸収し受け継いでいこうという強い意志を伝える。

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