※日経トレンディ 2018年12月号の記事を再構成
日経トレンディが選んだ「2019年ヒット予測」の19~22位は、AI(人工知能)がパートナーになる「スマスピロボ」や身に着けるだけで体調の変化を察知する「着る健康診断」など、暮らしをスマートにするアイテムが集合。2019年春、ANAがエアバスA380を就航させ、ハワイ旅行が快適になる。
【19位】スマスピロボ
何でも頼める相棒ロボットが誕生し、身近な存在に
AI機能を備えたスマートスピーカーが家庭に入り始めた18年。続く19年には、スマートスピーカーのアシスタント機能と「Pepper」や「Robi」などに代表されるコミュニケーションロボットが進化して融合し、生活を助けてくれるAIの相棒が生まれて生活が変わる。
今年9月にドイツで開催された世界最大級の家電ショー「IFA」では、スマートスピーカーと一体化したアシスタントロボットを多数の企業が公開した。LGエレクトロニクスが商品化を進める「CLOi(クロイ)」は、さまざまな家電を操作でき、さらにディスプレーに表示された顔や本体の動きで感情を表現するのが斬新だ。さらに、米アマゾンが音声アシスタント「アレクサ」対応のロボットを19年に発売するとの報道もある。
日本で普及する鍵は、「単なる“動くスピーカー”ではなく、話しかけたくなる仕掛けがあること」と、ロボスタ編集長の望月亮輔氏は指摘。「人のパートナーとなるには、便利である前に、親近感や信頼感を持てるかどうかが重要」と、ロボットベンチャーGROOVE Xの林要CEOも語る。
この、感情に訴えかけるロボットの開発は、日本のお家芸だ。今年1月に発売されたソニーの新型「aibo」がその代表格。各種センサーに加え、22個ものサーボモーターを備えて犬の動きをリアルに再現したのに加え、たまに言うことを聞かないといった“感情”が垣間見えるのも面白い。愛くるしさに多くの人が熱狂し、2万台を超えるヒットを記録している。
aiboは現時点ではスマートスピーカー機能を備えていないが、実は今後の機能アップで対応する可能性がある。10月に開催された家電見本市「CEATEC JAPAN」では、ロボット掃除機と連係するデモを公開。aiboに「掃除をして」と言うとロボット掃除機に近寄って話しかけるようなそぶりをし、掃除機が動き出す。つい話しかけてお願いをしたくなるかわいさだ。実装されれば、エンタメ性だけではなく利便性も備えた「ペット執事」として、さらに人気が爆発するはずだ。一方、GROOVE Xは生命感を追求した「LOVOT(ラボット)」を19年に発売予定。当初はコミュニケーション機能に特化する計画だが、将来的には家電連係も検討しているという。
AIの相棒は3次元の世界だけにとどまらない。裸眼で立体感のある映像を見られる新型ディスプレーを使った小型端末をジャパンディスプレイ(JDI)が発表。バーチャル女子高生「りんな」のようなAIキャラクターが中に住み、願い事を聞いてくれるようなサービスが始まる可能性もある。日本発の“エモい”ロボットやバーチャルアシスタントが市場を席巻しそうだ。
感覚器を駆使し、「生命感」を追求。真のパートナーロボットが誕生
人が親近感や信頼感を得られるように、センサーを駆使して生命感を追い求めたロボット「LOVOT(ラボット)」(下写真)をGROOVE Xが開発。年内に詳細が公表され、19年後半にも発売される見込みだ。
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