※日経トレンディ 2018年10月号の記事を再構成

かつて閑古鳥が鳴いていた横浜スタジアム。DeNAが運営を引き継ぎ、チケットを取るのも至難の業という人気球場に変貌を遂げた。球団オリジナルのクラフトビールを開発し、ミシュラン星付きレストランとタッグ。球場外には複合商業施設も整備した。球場一帯を「スポーツタウン」に変える試みが着々と進む。

サラリーマンを狙え! ハマスタ、座席稼働率96.2%の大改革(画像)

 横浜公園の中にあり、3つの最寄り駅からのアクセスはいずれも5分以内。12球団有数の好立地でありながら、横浜スタジアムは7年前まで座席稼働率は50.4%で、閑古鳥が鳴いていた。

 2011年、親会社がDeNAになって以降、観客動員数は順調に伸び、17年度は座席稼働率96.2%。ファンクラブの会員は現在は14.4倍になっている。

 DeNAが球団を引き継いで最初にしたことは、「来場者データを分析するという基礎的なマーケティング」と、経営・IT戦略部部長の林裕幸氏は説明する。チケット販売チャネルを自社でも持ち、他の購入方法よりもインセンティブを付けて誘導することでデータを蓄積。行動属性などの外部調査も行い、20代後半から30代の男性アクティブサラリーマンをターゲットとした。

 具体的な人物像を想像し、提供すべきサービスを考案。スポーツ界のみならず、アパレルや流通など他業界を参考に、彼らに人気のアイテムや体験を分析し、球界の常識にはなかったサービスをどんどん取り入れた。