11月11日、「独身の日」に実施されるダブルイレブンショッピングデー。2018年のダブルイレブンショッピングデーは、中国のECサイト全体の取引総額が3000億元(4.6兆円前後)を突破し、19年もその数字は更新すると見られている。これを支える中国の物流業界も技術革新による成長を続けている。
11月11日に実施されるダブルイレブンショッピングデーは今や日本企業なども多々参入しており、日本でもなじみがある。アリババ集団のECサイト「淘宝(タオバオ)」で2009年に始まったこの祭典は、当時、タオバオのCOO(最高執行責任者)を務めていた張勇(ジャン・ヨン、現アリババCEO)氏がタオバオのオンラインショッピングデーを企画していたことから生まれた。11月は中国の建国記念日である国慶節とクリスマスの中間に当たる月であり、気温的にも急激に下がる時期であることから、冬服の購入が増えると見込み、独身の日にショッピングデーを定めたと言われている(1という数字が独り身の男性に見えたことから、非公式ではあるが、中国では毎年11月11日は“光棍節”──独身の日とされている)。
ダブルイレブンショッピングデーはタオバオや、天猫(Tmall)、京東(ジンドン)といった中国のECサイトのみならず、今や国境を越えて日本の「楽天市場」や「Yahoo!ショッピング」などでも実施されている(日本では、ダブルイレブンショッピングデーではなく、「いい買い物の日」という名前で実施されているようだが)。18年、アリババのダブルイレブンショッピングデーは、始まってから2分5秒で、取引総額100億元(約1538億円)を突破、当日の取引総額は2135億元(約3.3兆円)に達し、中国の他のECサイトを含めれば3000億元(約4.6兆円)という驚異的な数字を叩き出した。
毎年のダブルイレブンショッピングデーでは、取引総額はさることながら、その物流件数にも多くの注目が集まる。18年の物流件数は、アリババだけでも10億件を超え、他のECサイトなども加えると約18億件に達すると言われている。中国国家郵政局が発表した「郵政行業発展統計公報」によると、中国全体では、18年の物流件数は507.1億件。日本の国土交通省「宅配便等取扱個数の調査及び集計方法」の42億個(17年度)と比べると、中国は日本の約12倍の件数である。
日本では近年、オンラインショッピングが普及した一方で物流分野における労働力不足が顕在化。少子高齢化と生産年齢人口の減少が労働力不足により一層拍車をかける。物流業界は技術革新による課題解決を目指すが、その道は容易ではない。中国でも、数年前までは過剰な“EC熱”により、問題が多発していたが、物流業界に次々と現れる技術革新により解決されていった。
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