中国のコーヒー消費量が急激に増えており、同時にコーヒーチェーンの競争が激化。米ナスダックへの上場を申請したLuckin Coffeeを筆頭に、大型の資金調達に成功したチェーンが相次ぐ。スマホアプリを使ったデリバリーサービスをけん引車に、中国コーヒー市場は群雄割拠の時代に突入した。

 2019年4月22日(米国時間)、Luckin Coffee(瑞幸咖啡)は米証券取引委員会(SEC)に対し、米ナスダック市場への上場申請を届け出た。最大1億ドルの調達を目指す。Luckin Coffeeは4月18日にも、米資産運用会社BlackRockなどから18年11月にシリーズB+ラウンドで1億5000万ドル調達したことを発表。同じくコーヒーデリバリーサービスを展開するCoffee Box(連咖啡)も4月24日に、シリーズB3ラウンドで2億600万元調達したことを公表しており、中国コーヒー市場は群雄割拠の時代に突入している。

 中国におけるコーヒー消費は、15年頃から急激に増加している。国際コーヒー機関(ICO)の統計によると、10年は78万麻袋(ICOの統計単位は60キログラム入りの麻袋計算)の輸入量であったが、17年は258万麻袋と231%増加し、アジアでは非主要生産国として日本や韓国に次ぐ輸入大国となった。

 その背景としては、主要都市部におけるカフェの“建設ラッシュ”により、コーヒー文化が台頭し、特に若者のコーヒー消費量が伸びていることがある。中国では従来、茶文化が強く根付いており、値段が高く、苦いコーヒーは受け入れにくい西洋由来の飲み物と見られていた。だが、憩いの場としてカフェが出来上がり、若者が足しげく通い始めたことから、コーヒー文化が広がり始めた。今ではラテやモカなど、乳製品を混合したコーヒー飲料よりもブラックコーヒーを好む若者も増えている。

 コーヒー市場の活性化に拍車を掛けるように、中国の国産コーヒーチェーンが躍進を遂げている。その代表格がLuckin Coffeeだ。Luckin Coffeeは17年10月に設立以来、中国全土28都市で2370店舗を開設。コーヒーデリバリーを主なサービスとし市場を開拓し、その利便性や大幅なディスカウントキャンペーンにより、若者の人気を博し、中国内では今や米スターバックスの地位を脅かす存在となりつつある。Luckin Coffee以外にも、Coffee Boxは開店速度こそLuckin Coffeeに劣るものの先述したようにシリーズB3ラウンドで2億600万元を調達している。今後、Luckin Coffeeやデリバリーサービスに乗り出した米スターバックスと激しい争いを繰り広げるかと思われる。

 Coffee Boxは14年に設立。当初はスターバックスなど大手コーヒーショップのデリバリーサービスを手掛ける企業だった。だが、コーヒー市場の活性化に伴い事業のピボットを図り、17年までに100店舗ほどのコーヒーショップとオンラインコーヒーデリバリーサービスを展開していた。

 19年の初めに資金ショートに陥ったため、3~4割ほどの店舗を閉鎖し、資金繰りの改善を図るなど、これまでは一本調子に成長してきたわけではない。中国国内の知名度もLuckin Coffeeほど高くなく、知る人ぞ知るコーヒーデリバリーサービサーだったが、今回の融資をきっかけに、店舗の新設を再開。あらためてコーヒーデリバリー戦争に名乗りを上げる。

Luckin Coffeeを追うCoffee Boxのwebサイト
Luckin Coffeeを追うCoffee Boxのwebサイト
左がLuckin Coffeeのアプリ、右がWeChatに組み込まれているCoffee Boxのアプリ
左がLuckin Coffeeのアプリ、右がWeChatに組み込まれているCoffee Boxのアプリ
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