素顔の中国人はどのような消費生活をしているのかを知るため、上海に住む20代男性Kさんの休暇に密着。前回は、日帰り旅行で杭州に到着したところまでをリポートした。引き続きKさんの休暇に付き合うが、国全体でキャッシュレス化が進む中国だけに、この旅行においても現金は全く使わなかった。
【まずは、定安路でランチ】
杭州へ旅行するのは数年ぶりだと話すKさんは、必ず立ち寄るラーメン屋があるというので、ランチはそこで食べることにした。
杭州東駅から地下鉄に乗り換えて数駅で、上海とは全く異なる雰囲気が漂う「定安路」に着いた。
日本の飲食店では食券などを購入してオーダーするお店以外は、ほとんどが飲食後の支払いだ。このラーメン屋さんは食券を購入するのと同じ要領で、注文口で事前に注文し、支払いをする。その後、料理が各テーブルに届くシステムだ。食べ終わったら、そのままお店を出ていい。食器の片付けは店員がしてくれる。これは日本人でもあまり違和感のない「オーダー~退店」の流れではないだろうか。
ランチを食べ終わり、次はパン屋へ行くというので、向かうことに。その途中で筆者が感じたのは、中国らしい伝統的な雰囲気の店が少なくなったことだった。古い時代の面影を残す観光地ではあるが、ここ数年で日本や韓国、台湾など、近隣のアジア地域から入って来た文化を取り入れたコーヒーショップやパン屋が激増している。
パン屋でケーキが売られているケースはよくあると、Kさんは言う。お目当てのクリームチーズが入ったお餅のようなお菓子を見つけ、ご満悦のKさん。支払いはもちろん、ウィーチャットペイで。ここは、こちらがスマホにQRコードを表示して、店側のレジでスキャンしてもらって支払う方法だ。
次は、今回の日帰り旅行の目玉「西湖」へと向かう。最寄りの駅から歩くには少し距離があるので、シェアサイクルを利用している人を多く見かけた。同時に、自動車のマナーも良くなっていることに気が付く。道路のあちこちに監視カメラが取り付けられていて、歩行者だけではなく、自動車を運転している人も監視している。これが、アリババグループが開発した「芝麻信用」(個人または法人の信用力をスコアリングするサービス)とひも付いているという(州によって監視カメラの数や監視項目は異なるようだ)。
西湖の敷地内は基本的には徒歩か、園内を運行している電動バスで移動する。自転車では入ることができない。この日は土曜日ということもあり、多くの人でにぎわっていた。
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