さまざまな交通・移動手段を統合して次世代の交通を生み出す「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」。その実像を、日経クロストレンドの特集「クルマや鉄道・交通業界に地殻変動 モビリティ革命『MaaS』の真相」では明らかにしてきた。さらに、MaaS実現の先にある未来とはどんなものだろうか。各界の専門家の意見を聞く本連載の第1回は、エネルギーマネジメントの将来像とMaaSの関わりに迫るインタビューの前編をお届けする。

モビリティ革命「MaaS」がもたらす社会的インパクトは移動にまつわるものだけではない。あらゆるモビリティのモードを超えてシームレスな移動を提供するMaaSの実現に至る過程やその先には、他産業のビジネスモデルと連携しながら、まちづくりの在り方が大きく変わり、人々の暮らしがダイナミックに刷新されていく可能性を秘める。
こうしたMaaSによる社会・生活の大変革を、モビリティ産業以外の専門家はどう見ているのだろうか。エネルギー、ゲーム、農業、ヘルスケア……各界の将来像とMaaSのトレンドが重なり合うなかで、どんな新しいビジネスモデルや、ユーザー体験が生まれるのだろうか。今回は、「MaaS×エネルギーマネジメント」をテーマにし、『エネルギー産業の2050年 Utility3.0へのゲームチェンジ』(日本経済新聞出版社)の編著者で、国際環境経済研究所理事の竹内純子氏に2050年をターゲットにした話を聞いた。
鉄道やバス、タクシーに加え、カーシェアやライドシェアなどのあらゆる交通・移動手段を統合し、スマホアプリを介した一括予約・決済を可能にするサービス。クルマを所有するより割安に、かつ同等以上の移動の利便性を得られる。地方の交通弱者対策、渋滞解消などの社会課題の解決にも役立つ。
①移動のパーソナライズ化
→ 個々人のニーズに合わせた移動手段をアレンジ、新たな移動需要の創出が可能に
②交通の最適化・サブスクリプション化
→ モビリティの移動を統合的に制御する仕組みの登場
→ 「乗り放題定額パッケージ」の出現で、交通以外のビジネスとのワンパッケージ化が容易に
③都市空間・立地の再定義
→ カーシェアやライドシェアの普及で駐車場が消滅、空きスペースの有効活用が課題に
→ 交通体系の再構築で、立地によらないビジネスが可能に

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