
ディープラーニング活用最前線
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- 第44回
- 2022.03.22
洪水をAIで防げ ダム流域の長期雨量予測をスパコン不要で実用化 洗濯物をどうするか、傘を持っていくか、週末の外出はどんな天気になるのか――。私たちは日常的に、今日のこれからの天候や今後1週間の傾向を知るときに、いわゆる天気予報を役立てている。こうした天候の予測は、社会や産業でも役立つ。その1つが、ダムの事前放流の判断支援だ。日本気象協会は、ディープラーニングを活用して大洪水を防ぐための長期間で詳細な雨量予測を実現した。第2回 ディープラーニングビジネス活用アワードで特別賞を受賞した「JWA-AI予測」がそれだ。 -
- 第43回
- 2021.06.30
在庫激減でアパレルの救世主に! SNS画像から流行を解析するAI ニューラルポケットは、ファッショントレンド解析サービス「AI-MD」を2018年末から提供している。このAI-MDは、日経クロストレンドと日経クロステックが主催した「第2回ディープラーニングビジネス活用アワード」でファッション部門賞を獲得した。アパレル企業による衣料品の在庫廃棄や常態化した値引き販売への課題など「SDGs(持続可能な開発目標)の実現を考えるうえで重要な取り組み」であることが評価されたためだ。 -
- 第42回
- 2021.04.22
AIがパトロール! Yahoo!ニュース「不適切コメント検知機能」の技術力 ヤフーの代表的なサービスである「Yahoo! ニュース」には、毎日数多くのコメントが寄せられる。その中には読む人に不快感を与える不適切なコメントも多く含まれている。ヤフーでは、こうした不適切なコメントの検出にディープラーニングを活用した。日経クロストレンドと日経クロステックが主催した「第2回 ディープラーニングビジネス活用アワード」のメディア部門賞を獲得した「不適切なコメント投稿を検知するAI開発」がそれだ。増え続けるコメントへの対応に追われる現場の課題感と、ディープラーニング黎明(れいめい)期から着実な研究開発を続けてきた技術部門の研究成果がぴたりと合致して出来上がったAI(人工知能)だった。 -
- 第41回
- 2021.02.08
わずか3カ月で開発! ドラレコに「AIの目」を搭載したNAVITIME スマホのドライブレコーダーアプリに、ディープラーニングを活用した前方車両の検知機能を搭載する――。経路検索大手のナビタイムジャパンは、交通の安全に寄与する機能の開発で「第2回 ディープラーニングビジネス活用アワード」のモビリティ部門賞を獲得した。ディープラーニングの本格活用は同社では初の試み。短期間で低コストに開発を進めるためにSaaS型のAI(人工知能)サービスを活用し、3カ月ほどの開発期間でサービスインの実現に成功した。 -
- 第40回
- 2021.01.14
異能の電通マン「おいしいマグロを見抜くAI」を実用化した舞台裏 マグロのおいしさをディープラーニングで判定する。ミスマッチとも思える組み合わせのAI活用が、実用段階に入っている。「第2回 ディープラーニングビジネス活用アワード」で食部門賞を受賞した電通の「TUNA SCOPE」は、マグロの尾の断面の画像をディープラーニングによる画像認識で“目利き”するもの。スマートフォンアプリとして実装することで、コロナ禍で渡航が難しい中での海外のマグロ買い付けにも貢献している。 -
- 第39回
- 2020.12.17
ディープラーニングで執念の突破劇 2度の挫折を越えた日立造船 巨大なプラントをトラブルから守る点検業務。熟練の技術者に頼っていたこの領域に、ディープラーニングで道を切り開き、精度向上とコスト削減、時間短縮に成功したのが日立造船だ。同社は「第2回 ディープラーニングビジネス活用アワード」の大賞を受賞。2度にわたる挫折を乗り越えたその道のりを紹介していく。 -
- 第37回
- 2020.01.06
フジクラ、ディープラーニングの投資効果を見える化 固体レーザーの一種「ファイバーレーザー」製造を新規事業の1つの柱に据えるフジクラ。同レーザーの発光源に使う高出力の半導体LD(レーザーダイオード)の製造時に、ディープラーニングを使った複数の検査装置を実用化した。そこで作ったAI(人工知能)基盤を、他の業務や海外へも展開する計画だ。 -
- 第38回
- 2020.01.06
プラグ、パッケージデザインの消費者調査をAIで代替 商品の売れ行きを大きく左右するパッケージデザイン。その選定にディープラーニングを活用した。パッケージの好意度を5段階で予測するサービスを2019年4月に開始。200社以上が利用登録したという。市場調査に時間をかける現在のマーケティングが大きく変わっていくのかもしれない。 -
- 第36回
- 2019.11.12
NTTドコモ、お金持ちエリアで高額品不振のナゼ分析、陳列提案 店舗の棚割り写真からAIで商品を自動認識できるサービス「棚SCAN-AI」。開始から1年半、認識するだけでなく棚割り提案もしていく方向へかじを切る。自社の会員組織と「モバイル空間統計」、POSの組み合わせでどんな人にどれくらい売れたか分かる。メーカー、流通などのパワーバランスが変わるかもしれない。 -
- 第35回
- 2019.10.30
キユーピー 食品検査にディープラーニング 競合にも売る太っ腹 キユーピーがディープラーニングを使った食品検査装置を開発した。「かつて(自分がいた)電機業界で衰退を目の当たりに。食品業界は大丈夫か」。そんな開発者の思いから国内競合にも売るという。「ディープラーニングビジネス活用アワード」大賞を得たプロジェクトの全貌を紹介する。 -
- 第34回
- 2019.07.16
ヤフー、店頭ガソリン価格をドラレコとAIで“クローリング” リアルとデジタルの2つの世界をつなぐため、画像認識にAIを使った実証実験をヤフーが実施した。ガソリンスタンドでの店頭価格やコインパーキングの満空情報などを、130台の物流車両が“クローリング”してデジタルに取り込んだ。実用化への課題も分かってきた。 -
- 第33回
- 2019.07.12
トラックの人手不足問題に一石、ナンバーをAIで読み取り効率化 トラックのドライバー不足問題に一石を投じる。増員ではない。物流システムのモノフル(東京・港)がトラックのナンバープレート画像をディープラーニングで認識。物流拠点での“荷待ち時間”の短縮を図る。 -
- 第32回
- 2019.04.22
ごみ焼却炉でもAI活用 運転時間の89%を自動化へ ごみ焼却炉の自動運転をAI(人工知能)で推進する――。意外な用途でAIの社会実装を進めるのが、技術コンサルティングや開発を手がけるRidge-i(リッジアイ、東京・千代田)だ。第三者割当増資の実施を説明する発表会の場で、AIのユニークなビジネス活用について明かした。 -
- 第31回
- 2019.04.01
AI活用ビジネスの成功要因を体系化へ 東大・松尾氏がチャレンジ ディープラーニング(深層学習)分野を日本でリードする東京大学大学院工学系研究科特任准教授の松尾豊氏。同氏が理事長を務める日本ディープラーニング協会では、検定・資格試験を実施し、ディープラーニング人材の育成を進める。日本の社会や産業を変えていくために、松尾氏は何を見据えているのか。 -
- 第30回
- 2019.02.20
新人運転手も人並みに DeNAがタクシー乗客需要予測をAIで開発 近年、オートモーティブ事業に注力するディー・エヌ・エー(DeNA)は、汎用カメラを使った高精度地図の作製や、タクシー乗車が発生しやすい経路の予測にAI(人工知能)を活用している。このほど開催された技術者向けイベントで、その最先端技術の詳細が明かされた。 -
- 第29回
- 2018.12.10
ドラマ字幕の自動翻訳でプロを超える品質を実現、Rakuten VIKI 楽天が2013年に買収した米Rakuten VIKIには、プロの翻訳家を凌駕するドラマ字幕の自動翻訳技術がある。その自動翻訳技術を駆使して、韓国ドラマや中国ドラマを中心に、7言語(英語、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語、ポルトガル語、ポーランド語)の字幕の自動作成を2017年から開始している。 -
- 第28回
- 2018.12.05
ディープラーニングは魔法の技術ではない──当事者が語る障壁 「ディープラーニングは魔法の技術ではない」──書籍『ディープラーニング活用の教科書』の発刊を記念したセミナーで、NTTドコモの開発者、FiNC Technologiesの代表が活用の当事者だから分かるリアルな苦労話を明かした。 -
- 第27回
- 2018.12.03
乗降データ300万件で交通需要を予測 MaaSも視野に順風路と東芝 未来の交通需要をAIで予測して地図上に見える化する実験が始まっている。道路交通情報など放送関連事業やオンデマンド交通システム「コンビニクル」を運営する順風路(東京・豊島)が東芝デジタルソリューションズ(川崎市)と共同で、実証実験に乗り出した。 -
- 第26回
- 2018.11.26
オムロン、AI活用のドライバー見守り車載センサーを商品化へ オムロンは2019年までに、ドライバーが運転に集中できているかどうかを判定する「ドライバー見守り車載センサー」を商品化する。20年までに発売されるレベル2の自動運転車への採用を目指している。体の動きや顔の向きをディープラーニングで把握する。 -
- 第25回
- 2018.11.22
普通のAIと優秀なAIの連係プレー 半導体ウエハ外観検査を自動化 電線大手のフジクラは、ディープラーニングの活用でファイバーレーザーを作るためのウエハ外観の検査を自動化した。決め手は優秀なAIと普通のAIによる連係プレー。普通のAIが製造条件の変化の予兆を察知した直後に、優秀なAIに追加の学習を施して変化対応力を高めて実運用につなげた。 -
- 第24回
- 2018.11.20
路面下の空洞の変化を追跡 陥没の危険性が高い場所を検知 地質調査大手の川崎地質は、路面陥没を起こす危険性が高い空洞をディープラーニングによって自動検知する仕組みを、2019年夏までに実用化する計画だ。富士通のディープラーニング基盤サービスを活用する。自治体など道路管理者のパトロール車に路面下空洞探査装置を装着し、走行時に得られた探査データを川崎地質に転送して解析。空洞の場所を自動検知する。 -
- 第23回
- 2018.11.19
存在しない“アイドル顔”を自動生成 京大発ベンチャーがAI開発 京都のスタートアップ企業であるデータグリッドは、クリエイターの仕事をAIに委ねる「クリエイティブAI(人工知能)」の開発を進めている。“何かを作り出すAI”の1つとして、アイドルの顔を「生成」するAIを作成し、今後の新しいAIの利用法を提案する。 -
- 第22回
- 2018.11.16
ロボット「ユニボ」のディープラーニング活用 感情理解に挑戦 会話を楽しんだり、声の操作で情報を入手したりできる小型のロボット「ユニボ」。人間との高度なコミュニケーションを実現するユニボには、音声認識から個人の認識、会話の内容から趣味や趣向の判別、そして相手の感情の理解まで、幅広くAI(人工知能)の関連技術が使われている。 -
- 第21回
- 2018.11.15
河川護岸の損傷をAIでチェック 判定結果は河川技術者と同水準 建設コンサルタント業務を手がける八千代エンジニヤリング(東京・台東)は、河川の護岸の維持管理にAI(人工知能)を活用し、損傷などの点検を効率化するシステムを構築した。1万枚超の写真の学習、改善を重ねて、河川技術者とAIでほぼ同じ判定結果が得られるようになっている。 -
- 第20回
- 2018.11.13
画像認識AIを適材適所で 産業廃棄物もブランドバッグも自動判定 オークネット・アイビーエス(オークネットIBS)は、環境改善AI(人工知能)サービス「EDIS(エディス)」を提供する。AIによる画像認識をサービス構築の一つの“道具”としてうまく活用し、導入する産業廃棄物業者の業務効率化を支援する。 -
- 第19回
- 2018.11.09
無人の油圧ショベルでの自動掘削に成功 フジタがAIで開発進める ゼネコンのフジタは2018年夏、ディープラーニングを使い、油圧ショベルによる自動掘削に成功した。将来の建機のオペレーター不足を見越して、さまざまなタスクを自動でこなせるよう技術開発を進める。AIスタートアップのDeepX(東京・文京)と経営共創基盤(東京・千代田)と共に開発した。 -
- 第18回
- 2018.11.07
物件写真をAIで自動分類 大東建託が月3000時間の作業削減へ 大東建託は部屋探しサイトに掲載する物件情報の写真の登録を、人手頼みからAI(人工知能)を活用したシステムに移行した。年間約30万件という登録作業があるだけに、月間3000時間の作業削減効果を見込める。実現へディープラーニングを活用するうえで、データは豊富ながらも意外な障壁があった。 -
- 第17回
- 2018.11.05
国内の医療現場で、初のディープラーニング活用機器の実運用 低い被曝(ひばく)線量で解像度が同等レベルのCT(コンピューター断層撮影)画像──。キヤノンメディカルシステムズはディープラーニングを活用して、CT画像データのノイズ成分を除去する技術を開発。2018年3月に認可が下り、医療現場で使われ始めた。国内の医療現場でディープラーニング活用機器の実運用は初めて。 -
- 第16回
- 2018.11.01
ホンダの自動運転AI開発の実態 実現に必要な6つの機能とは 本田技研工業(ホンダ)は本田技術研究所で、ディープラーニングを活用した自動運転技術の研究開発を進めている。既に3台のカメラ情報のみで自動運転を実現するレベルに達している。一般道での走行には、何があるか探索する、リスク予測をするなど6つの機能を確実に実行できるようにする必要がある。 -
- 第15回
- 2018.10.30
「門外不出のノウハウ」を生かした万引き防止AI、ALSOKが開発 綜合警備保障(ALSOK)は警備員のノウハウを生かした、ディープラーニング活用による万引き予知の実証実験に約10社と一緒に取り組んでいる。教師データは実際の万引き犯の動画像。ガードマンが万引き犯の動作のどこに注目しているのか、学習済みモデルを開発する際に生かしている。 -
- 第14回
- 2018.10.26
手話を通訳する「ロボホン」 銀行などの窓口で会話支援へ 「わーすごい、ロボホンが私の手話を理解してくれた!」。ある小学生の少女がスマートロボット「ロボホン」の前で手話を披露したところ、手話で表現した言葉をロボホンが音声に変換してくれたのだ。NTTデータがシャープと共同でディープラーニングを活用して開発した。 -
- 第13回
- 2018.10.24
メルカリが「精度低いAI」を使うワケ 出品時の感動を演出 国内で月に1000万人以上が利用し、年間3468億円(2018年度)もの取引があるフリマアプリ「メルカリ」。そのユーザー体験(UX)の向上、安心な取引の実現にディープラーニングは大きな役割を果たしている。 -
- 第12回
- 2018.10.22
ホンダ系自動車部品メーカーが不良品のAI検知、人並みの精度実現 ホンダ系自動車部品メーカーの武蔵精密工業はAI(人工知能)スタートアップ企業のABEJA(東京・港)と共同で、ディープラーニング活用による製造不良品の自動検知システムのプロトタイプを試作、実証実験に取り組んでいる。これまで人による目視で実施してきた検査を自動化しようという取り組みだ。 -
- 第11回
- 2018.10.18
ファナックがディープラーニング活用 バラ積み部品を取り出し ファナックはAI(人工知能)スタートアップ企業Preferred Networksと組み、ディープラーニングを活用したロボット向けアプリケーションを発売した。「ディープラーニングを使えば部品のバラ積み取り出しが100%成功する」とは保証できないなかで、顧客にどんな価値を提供できるか模索の真っ只中だ。 -
- 第10回
- 2018.10.16
Clovaの「キャラ化」戦略 約4時間の音声データで話し方をまねる 「スマホの次」に来るデバイスとして注目されるスマートスピーカー市場において、LINEは「LINE Clova」シリーズを発売し、米アマゾン・ドット・コムや米グーグルといった世界的な強豪と競っている。その差異化として同社が力を入れるのが「キャラクター化」だ。実現へはディープラーニングの活用が鍵を握る。 -
- 第9回
- 2018.10.09
コールセンター音声をテキスト化 最適回答を即座に示すAI之助 損害保険ジャパン日本興亜は2018年3月から、コールセンターへの問い合わせをリアルタイムにテキスト化、最適なQ&A候補を表示する仕組みを本格導入した。ディープラーニングを活用した音声認識でオペレーター側の音声認識率は94~95%。実用レベルに達している。 -
- 第8回
- 2018.09.28
ドコモが開発の「AIタクシー」効果抜群 新人が中堅に勝った 新人ドライバー15回、中堅ドライバー10回──。NTTドコモが開発した「AIタクシー」の乗車台数予測を使った新人と、使わなかった9年目の中堅の乗車回数だ。1350台でAIタクシーを実稼働している東京無線協同組合によれば、「新人でもベテランに近い仕事がこなせる」とAIタクシーの威力を実感している。 -
- 第7回
- 2018.09.26
泳ぐ養殖マグロをAIで数える 双日が年間250時間超の作業削減へ マグロ養殖事業において、いけすにマグロが何匹いるかを正確に把握することは、コストの半分以上を占める餌の量の最適化を図るうえで重要なことだ。双日は電通国際情報サービス(ISID)と協業し、ディープラーニングでマグロの尾数を把握する取り組みを始めた。当初は関係者も「これは無理」と思った挑戦だが、実証実験で手応えを得て本格開発へ一歩を踏み出した。 -
- 第6回
- 2018.09.19
無人のレジで買い物新体験、商品の映像を認識して自動精算を実現 Amazonのレジなし店舗「Amazon Go」が話題になる中、国内でもレジの行列をなくすためにディープラーニングを活用した技術と製品の開発を進める企業がある。無人で決済が可能な「ワンダーレジ」「スーパーワンダーレジ」を提供するサインポストである。いち早い製品化の裏には、蒲原寧社長が決めた明確な方針があった。 -
- 第5回
- 2018.09.18
NHKが白黒映像のカラー化をAIで効率化 5日かかる仕事が1日で 昔の白黒フィルムの映像を、カラーで楽しめるようにする──。ディープラーニングの力を使って、人手では時間のかかる映像のカラー化を自動化する取り組みがNHKの番組で進められている。コマ数が多く、さまざまなものが映っている映像を、狙った通りにカラー化するために、試行錯誤が必要だった。