会話を楽しんだり、声の操作で情報を入手したりできる小型のロボット「ユニボ」。人間との高度なコミュニケーションを実現するユニボには、音声認識から個人の認識、会話の内容から趣味や趣向の判別、そして相手の感情の理解まで、幅広くAI(人工知能)の関連技術が使われている。

ベンチャー企業のユニロボット(東京・渋谷)が開発するコミュニケーションロボットの「ユニボ」
ベンチャー企業のユニロボット(東京・渋谷)が開発するコミュニケーションロボットの「ユニボ」

 コミュニケーションロボットであるユニボは、ベンチャー企業のユニロボット(東京・渋谷)が提供する。個人、法人向けに販売し、法人向けでは戸田建設の筑波技術研究所やインテックソリューションパワーの受付、エイチ・アイ・エスが運営する先端技術をフル活用した「変なホテル」の受付などに採用されている。

 「今度の週末はどこに行こう?」

 そんな問いかけをユニボにすると、「水族館はどうでしょうか?」といった返事がくる。さらに「お天気はどうだろう?」と続けて問いかけると、土曜日の天気予報を伝えてくれる。ユニボは、自然な話しかけから「対話」ができる。顔に相当する部分にディスプレーを持ち、ロボットの顔の表情を表現するほか、さまざまな情報を表示したり、ビデオ通話をしたりといった役割を果たす。動き回ることはしないながらも、人型のロボットという位置付けだ。

 米グーグルや米アマゾン・ドット・コムが提供しているスマートスピーカーでも、水族館の情報や土曜日の天気予報を聞くことはできる。しかし、そのコミュニケーションは「オーケー、グーグル」や「アレクサ」から始まり、多くは一問一答で終わってしまう。ユニロボット 取締役CTOソフトウェア部門部門長の前田佐知夫氏は、「自然な会話が続いて対話になる点がユニボとスマートスピーカーの最大の違い。スマートスピーカーは声を出していろいろな操作ができる“便利でリッチなリモコン”だが、ユニボはコマンド送信ではなく対話ができるコミュニケーションロボットだ」と、両者の隔たりを説明する。

 前田氏は、ユニボにできることをこんなふうに紹介する。「ユニボには、いわゆるスマートスピーカーの機能と、コミュニケーションロボットの機能の2つの軸がある。スマートスピーカーとしては、天気予報を尋ねたり音楽を再生させたり、内蔵している赤外線リモコン機能で家電を操作したりといったことが単体でできる。一方、コミュニケーションロボットとしては、カメラやマイクをはじめとしたセンサーで利用者を個人として認識し、操作や会話の内容から趣味趣向を判断したり、感情を理解したりできる。個人を特定できることで、それぞれのスケジュール管理をしたり、問いかけに対して適切な回答をしたりといった機能を提供できる」。

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