低い被曝(ひばく)線量で解像度が同等レベルのCT(コンピューター断層撮影)画像──。キヤノンメディカルシステムズはディープラーニングを活用して、CT画像データのノイズ成分を除去する技術を開発。2018年3月に認可が下り、医療現場で使われ始めた。国内の医療現場でディープラーニング活用機器の実運用は初めて。
第3次AIブームの火付け役であるディープラーニングは、画像認識率の精度を大きく引き上げ、人の「眼」に代わる能力を備える機械がこれまでにないインパクトをさまざまな業界にもたらそうとしている。医療業界もその1つだ。しかも、既にディープラーニングが国内の医療現場で使われているという事実は、意外と知られていない。
ディープラーニングの医療画像への応用で優位性があるのは、キヤノンメディカルシステムズ(栃木県大田原市)だ。同社の旧名は東芝メディカルシステムズで、16年12月にキヤノングループ入りした。売り上げの8割近くは超音波診断装置やCTシステム、MRI(磁気共鳴画像法)システムといった医療画像診断装置が占める。CTシステムでは世界で二十数%のシェアを持ち、米ゼネラル・エレクトリックや独シーメンスと肩を並べる。
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