成果を上げたマーケティング施策やヒット商品開発が直面した「決断」の真相を追う本特集。6回目に取り上げるのは、シャープペンシル(シャープペン)としては異例の3000円(税別、以下同)という高値を付けながら、2017年2月の発売と同時に品薄が続くヒットとなった、ぺんてるの「オレンズネロ」だ。

ここ10年近く、文具の中の筆記具市場をけん引したのは、パイロットコーポレーションが07年に発売した消せるボールペン「フリクション」シリーズや、ジェルインクを採用した各社のボールペンに代表される、高機能ボールペンだった。この流れに一石を投じたのが、文具大手のぺんてるが14年2月に発売した、芯の折れないシャープペン「オレンズ」である。芯と一緒に金属製の芯カバーが出てきて、芯の減りとともにカバーが引っ込み、折れるのを防ぐ「オレンズ機構」を搭載し、0.2ミリという細い芯の実用化に成功。頻繁に芯が折れるシャープペンの使い勝手に不満を持っていたユーザーをうならせて、0.3ミリタイプと合わせ、シャープペンとしては久しぶりのヒット商品となった。
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