商品数を絞ったうえ、店舗オペレーションを効率化してスタッフの負担を減らしたことにより、さらなる強みも生まれた。店内でテーマソングを流し、商品を待っている客に対して店舗スタッフが笑顔で両手を振ったり、掛け声をかけたりする“テーマパーク接客”だ。「テーマパークのような非日常感を味わえる接客は何度も来店してくれるファンを増やすだけでなく、やっているスタッフのほうも楽しい」(嵜本社長)。これこそ、店舗オペレーションの効率化が生み出した最大の副産物といえるだろう。

“テーマパーク接客”も同店の売りの一つ。工房付き店舗ではチーズタルトが焼き上がるとスタッフが鐘を鳴らす
“テーマパーク接客”も同店の売りの一つ。工房付き店舗ではチーズタルトが焼き上がるとスタッフが鐘を鳴らす

 専門店化による副産物はもう一つあった。それが積極的なコラボ戦略が可能になったことだ。きっかけは、あるコンビニエンスストアからチーズタルトを共同開発して全国の店舗で売り出したいというオファーがあったこと。嵜本社長はPABLOの店舗がない地域でもPABLOを体験できる商品が作れるチャンスだと考えた。

 この商品がヒットしたことから、その実績を基に狙いを定めた企業に商品の共同開発を持ちかけた。こういった動きができたのは、店舗オペレーションの効率化によって余力が生まれたことに加え、チーズタルトという当時は珍しいジャンルの専門店だったことが大きいだろう。なかでも、ロッテ「チョコパイ」とのコラボ商品は累計で約1500万個を出荷する大ヒットとなった。

ロッテ「チョコパイ」との共同開発商品など、他企業とのコラボも多い
ロッテ「チョコパイ」との共同開発商品など、他企業とのコラボも多い

 共同開発を持ちかける相手の選定ポイントも興味深い。長く愛されているブランドや商品だという。「ロングセラーブランドが多く抱えるファンに興味を持ってもらえるうえ、老舗ブランドと新しいブランドのPABLOという組み合わせに話題性がある」(嵜本社長)。

 今後は定番のチーズタルトを中心にしつつ、驚きのある期間限定商品も展開し、新たな来店動機を作ってファンを増やしていきたいという。PABLOは19年5月末までに世界で100店舗が目標。海外はアジアが中心だが、米国にも出店予定。「将来的には300店舗、500店舗まで伸ばしたい」(嵜本社長)といい、まだまだ勢いは止まらないようだ。

2018年9月時点で15店舗と海外出店にも積極的(写真はタイにあるPABLO Bangkok Siam Paragon Mall店)
2018年9月時点で15店舗と海外出店にも積極的(写真はタイにあるPABLO Bangkok Siam Paragon Mall店)