人気絶頂だったパティスリーブラザーズを突如閉店

 「世の中にないものを作ろうというコンセプトだったため、製造の難しさもあって、商品一つひとつの製造効率が悪かった。さらに看板商品が15種類もあったため、在庫スペースの確保や品質管理も大変になった」(嵜本社長)。

 自社店舗の製造キャパシティーだけでは対応しきれず、外部にも委託したが、それが利益を圧迫。物流コストや廃棄ロスもかさみ、売り上げが増えても利益が全く残らない状態に。商品を作って売ることに必死で、コストや利益の計算がしっかりできなくなっていた。

 「社長もブランドも大好きだけど、もうこれ以上がんばれません」

 朝から晩まで製造と販売に追われ、辞めるスタッフが続出。1年で8割程度が入れ替わるまでになった。こういった状況のなかで、嵜本社長はパティスリーブラザーズの閉店を決断する。「スタッフが楽しんでスイーツを作れない状態になり、商品の質も落ちるという負のスパイラルに陥った。そこで、すべてを一からやり直そうと決めた」(嵜本社長)。

 このパティスリーブラザーズでの失敗を教訓に立ち上げたのが、PABLOというわけだ。次回はPABLOを立ち上げるに当たっての“大きな決断”と、そこから現在の業態をどのように作り上げていったかを探っていく。

PABLOを運営するドロキア・オラシイタの嵜本(さきもと)将光社長
PABLOを運営するドロキア・オラシイタの嵜本(さきもと)将光社長

(写真/今 紀之)