成果を上げたマーケティング施策やヒット商品開発が直面した「決断」の真相を追う本特集。3回目に登場するのは、既存のクレジットカード事業からの脱却を図り、ビッグデータ事業を推進するクレディセゾンだ。同社は2017年4月にカード会社としては異例のアドテクノロジー会社の買収という奇策に出た。しかし、全く異なる業種の買収ゆえに一筋縄にはいかなかった。買収劇の裏側のすべてを取締役デジタル事業部長の磯部泰之氏が日経クロストレンドに明かした。

クレディセゾン取締役デジタル事業部長の磯部泰之氏
クレディセゾン取締役デジタル事業部長の磯部泰之氏

 春本番を控え桜の花が芽吹き始めた17年3月、東京・池袋にあるスターバックスコーヒー池袋サンシャイン通り店に、その男の姿はあった。男の名はクレディセゾンネット事業部長(当時)の磯部泰之氏。クレディセゾンのビッグデータ事業をけん引するキーマンだ。

 その日は管轄する部の会合。その長が会を抜けて、1人でスタバでコーヒーを飲んでいるのだから、ただ事ではない。席についた磯部氏は、しきりにスマートフォンの画面を見つめている。誰かからの連絡を待っているようだ。表情は落ち着いて見えるものの、その様子から内心は気が気ではないことがうかがえる。電話が鳴る。磯部氏はすぐさまスマホを耳に当てた。相手はアドテクノロジー企業オムニバスの山本章悟代表取締役CEO(最高経営責任者)だ。

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