ファーウェイ(Huawei、華為技術)が、米中対立の狭間で厳しい局面に直面する中、想定できるあらゆるジャンルのデバイスをカバーするオール・シナリオ時代に向けた「HarmonyOS」を自社のデベロッパー向けカンファレンスで披露し、注目を集めている。その4つの特徴やオープンソース化した狙いなどを解説する。
2019年8月9日から11日の3日間、ファーウェイは、広東省東莞市松山湖基地で、19年度ファーウェイ・デベロッパー・カンファレンス「Huawei Developer Conference(HDC) 2019」を開催した。「Rethink Possibilities」をテーマとした今回のHDCでは、ファーウェイ・コンシューマー・ビジネス・グループ(Huawei Consumer Business Group)の余承東(Richard Yu、リチャード・ユー)最高経営責任者(CEO)が基調講演に登壇。ファーウェイのオール・シナリオ・スマート・ライフ戦略、および昨今、世の中で噂になっていた独自OS(オペレーティングシステム)「HarmonyOS」を披露した。その詳細を紹介する。
オール・シナリオ・スマート・ライフ戦略とは?
余氏は、今後5~10年間のコンシューマービジネスの長期戦略「オール・シナリオ・スマート・ライフ戦略」をまず説明した。ファーウェイは、業界リーダーとして、想定できるあらゆるジャンルのデバイスをカバーして(オール・シナリオ)、消費者にスマートな体験を提供する(スマート・ライフ)という戦略を推し進める考え。以下の[1・2・3]といった数字に象徴される取り組みから、そのためのアプローチがうかがえる。
1)1つのコアドライバー:HUAWEI HiAI
AI(人工知能)は現在の最も重要な成長ドライバーと位置付けられる。「HUAWEI HiAI」はファーウェイのスマートビジネスのコアドライバーで、ファーウェイの戦略的な投資先でもある。
2)2つのプラットフォーム:サービスエコシステム&ハードウエアエコシステム
サービスエコシステムのプラットフォームとして、「HUAWEI Ability Gallery」プラットフォームを展開。デベロッパーにローコストで提供することにより、スマートデバイスの開発・発展に役立つ。ハードウエアエコシステムのプラットフォームとして、「HUAWEI HiLink」プラットフォームを展開。ファーウェイIoTエコシステムのベースアーキテクチャーであり、IoTエコシステム製品を相互にリンクするオープンプラットフォームでもある。
3)3つの製品レイヤー:1+8+N
コンシューマービジネスには、「1+8+N」といった3つのレイヤーの製品が考えられる。「1」はスマートフォンであり、「8」は腕時計、ヘッドホン、パソコン、タブレット、スピーカーボックス、メガネなどの製品であり、「N」はスマートインテリア、スマートオフィス、スマートライド、スマートヘルスケアなどN種類のスマートデバイスであることを指す。これらの中に、ファーウェイが自社で開発した製品と、パートナーが開発したエコシステムの製品が、ともに想定されている。
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