中国の民間シンクタンク胡潤研究院(Hurun Research Institute)によると、2019年の第1四半期(Q1)、中国国内のユニコーン企業の数は初めて200の大台を突破した。「フューチャーユニコーン」、すなわち3年以内にユニコーン企業になり得るスタートアップも初めて発表された。

 2019年5月7日、中国の民間シンクタンク胡潤研究院(Hurun Research Institute)は「2019年Q1胡潤大中華区ユニコーンインデックス」(以下、ユニコーンインデックス)および「2019年Q1胡潤中国フューチャーユニコーン」を発表した。前者によると、中国国内のユニコーン数は初めて200の大台を突破し、累計202社がユニコーン企業となった。胡潤研究院の創始者兼会長、フーゲワーフ・ルパート氏は、「中国のユニコーン企業数は驚くことに200社を突破した。この数字はインドの約10倍、世界でもトップに上りつめた」と述べる。

 中国の経済情勢が低迷する中、18年は中国国内のユニコーン数には減少傾向が見られていた。だが、19年のQ1には21社の新たなユニコーン企業が誕生。これは18年Q4の11社をはるかに上回る。

 新たにユニコーン企業の参列に加わったスタートアップの中では、特にAI(人工知能)関係の企業が多く、小馬智行(Pony.ai、自動運転)をはじめ、塗鴉智能(Tuya Smart、家電製品をIoT化する総合サービス)などが加わった。その次に貨拉拉(物流O2Oプラットフォーム)、駒馬物流(同じく物流O2Oプラットフォーム)といった物流企業が並ぶ。

未来のユニコーン、初めて発表

 ユニコーンインデックスは今回で6回目の発表だが、「胡潤中国フューチャーユニコーン」、すなわち3年以内にユニコーン企業になり得るスタートアップに関する報告は、初の発表となる。この中から、人気アプリ「TikTok」で有名なByteDance(バイトダンス)のように、大躍進するスタートアップが生まれる可能性も高く、中国国内で注目を浴びている。今回は、これらのフューチャーユニコーンの中から筆者が注目した5社を取り上げたいと思う。

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