『僕らはSNSでモノを買う』という書籍も出版されている通り、SNSがきっかけとなって商品購入に至るケースは、若者にとどまらない現象だ。では、こうした「SNSきっかけ消費」でよく売れるのは特にどの商品カテゴリーなのか。また、どのSNSの影響力が強いのか。アンケート結果から、YouTube×金融商品という意外な組み合わせが浮かび上がった。
SNSがきっかけで購入される商品は特にどんなジャンルで多いのか。また、どのSNSがきっかけになっているのか。インターネット行動ログ分析サービスを提供するヴァリューズ(東京・港)で、1万人規模のアンケートと、同社保有パネルのSNSアプリ利用動向調査を実施したところ、性・年代によって購入商品ときっかけになったSNSに特徴があることが見えてきた。調査対象のSNSは、Facebook、Instagram、Twitter、TikTok、YouTubeの5つ。
まず、SNSがきっかけとなった買い物はどのくらい広がっているのか。主要な商品ジャンルを選択肢に挙げて、「SNSを見て購入したことがあるもの」を尋ねた結果が上表だ。
最も多かったのは「食品(コンビニ商品を含む)」で34.5%。次いで「服・ファッション小物」26.8%、「化粧品・美容関連の商品」25.5%、「カフェなど外食」21.4%、「映画・音楽」16.7%と続く。
これを男女別に見ると、性差が大きいことが分かる。まず食品以下の上位3カテゴリーは女性の35%以上が購入しているのに対し、男性は最も高い食品でも30%を切っている。女性のほうがSNS起点の消費が起こりやすいようだ。
商品カテゴリーにも性差が見られる。化粧品・美容関連商品は全体では3位だが、男性の購入は少ないため、女性ではトップカテゴリーで40.8%に上る。服・ファッションも同様に女性が優勢だ。男性が全体平均より5ポイント超上回っているのは、ゲームと金融商品だけだった。
これをさらに掘り下げて性年代別で見てみると、「SNSきっかけ消費」の中心層が浮き彫りになる(上表)。服・ファッション小物は20代女性、化粧品・美容関連は20~30代女性が半数弱とリードしている。食品も30~40代女性で40%を超える。
男性がリードしているゲームでは、年代が若いほどSNS消費が起きている。やや意外感があるのが金融商品だ。商品の性格上、比較的年配層に偏るかと思いきや、意外にも中心層は20~40代の男性。最も多かったのは30代男性だった。
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