SNS利用率で躍進を続けるInstagram。今や若者だけでなく、幅広い層がさまざまな用途で利用している。日経クロストレンドでは、コロナ禍で投稿にどういった影響があったかハッシュタグに注目した。地名タグから、外出自粛の状況も見えてきた。

生活様式の変革が求められる今、「映え」のあり方も変化しつつあるのかもしれない(写真/Shutterstock)
生活様式の変革が求められる今、「映え」のあり方も変化しつつあるのかもしれない(写真/Shutterstock)
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 分析に当たっては、AI(人工知能)を活用したSNS分析サービスベンチャーのAIQ(アイキュー、東京・千代田)からデータ提供を受けた。同社はInstagramユーザーの投稿を独自のプロファイリングAIで分析し、Instant Trends(インスタントトレンド)というサイト上でハッシュタグのトレンドをランキング形式に紹介している。

 今回はこの集計データから、政府の緊急事態宣言中に増えたタグ、宣言前から人気のあったタグの投稿数の変化、地名タグの推移などを算出した。

映えは「おうち」にシフト

 緊急事態宣言中に増えたタグのジャンルとして、AIQコミュニケーションデザイン部部長の西川龍二氏は「おうち系」「おうちでの過ごし方系」「コロナ禍系」の3つを挙げる。

 おうち系では「#おうち○○」の投稿が急増。特に増加したのは「おうち時間」「おうちで過ごそう」のタグで、投稿数は2020年5月で1億1663万件、775万件。20年1月と5月を比較するとそれぞれ9倍、165倍に増加した。料理やペットの写真など、家での過ごし方を紹介する投稿が多く見られた。多くの企業が打ち出したキャンペーンの名前に「おうちで過ごそう」と入っていたことも増加の要因だろう。

 おうちでの過ごし方系では、牛乳の上に泡立てたインスタントコーヒーをのせる韓国発の飲み物「ダルゴナコーヒー」の投稿数が増加。簡単に作れて見た目が“映える”のはもちろん、韓国の人気アイドルグループ「TWICE」が配信した動画上で取り上げたことで人気に火が付いた(関連記事:「おうちカフェ」「マスク盛り」…新型コロナ禍で変わった若者消費)。1月上旬は1日当たり約600件の投稿だったのに対し、5月下旬では11万件で173倍となった。