日経クロストレンドは、2018年7月から10月にかけて3カ月連続で検索者数が増加しているキーワードを抽出し、平均上昇率のランキングを算出した。次々とキャッシュレス決済サービスが登場する中で、2018年は「d払い」の伸びが目立った。

各社キャッシュレス決済サービスについて調べる検索者が増えた
各社キャッシュレス決済サービスについて調べる検索者が増えた

 分析に当たっては、インターネット行動データ分析サービスを提供するヴァリューズ(東京・港)からデータ提供を受けた。同社は、国内25万人規模のユーザーパネルを保有し、Web利用動向データを基にネット行動分析サービスを提供している。

 検索者数が増えているワードを抽出するに当たり、例えば「クリスマス」「ハロウィン」など昨年も同時期に同様に伸びている季節性の高いワードや、最終回に向けて検索数が増えやすいテレビドラマなどエンターテインメント関連のワードは排除した。

 検索者数の上昇率1位は、8月10日に銀行業の営業免許を取得し10月15日から営業を開始した「ローソン銀行」。2位はノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学本庶佑特別教授が開発したがん免疫治療薬「オプジーボ」。3位は10月11日に築地から移転・オープンした「豊洲市場」、4位は9月30日に投開票が行われた「沖縄県知事選挙」と、話題のニュースのキーワードが上位を席巻した。

 そんな中、編集部が注目したのは、ランキングは165位ながら月平均上昇率19%の伸びをみせたNTTドコモのスマホ決済サービス「d払い」。街中の実店舗で買い物代金を支払う際、「d払いアプリ」に表示されたバーコードを見せるだけで支払いができるサービスだ。ドコモ回線を契約していない人でも、docomoIDを登録すれば利用できる。

 d払いには、その前身となるサービス「dケータイ払いプラス」があった。対応ECサイトでの買い物額に応じてdポイントがたまり、ポイントを支払いにも利用できるというもの。それが2018年4月、アプリ化して実店舗での決済にも対応するようになったのがd払いである。

9月以降は2カ月続けてLINE Pay超え

 下図は、d払いと、スマホ決済サービスの競合である「LINE Pay」「楽天ペイ」の検索者数推移を、17年11月のd払いを100としてグラフ化したものだ(※d払い検索者数には、旧称の検索者数を含む)。過去1年で、d払いの検索者数が他2サービスと比べて伸びていることが分かる。9月以降は2カ月続けて、LINE Payを超える位置を確保した。

「d払い」について調べるユーザーがじわじわ増加
「d払い」について調べるユーザーがじわじわ増加

 d払い検索者数は、新サービスのアナウンスがあった1月、新サービス開始の4月に向けて急増し、一旦落ち着いたものの、9月から10月にかけてサービス開始時期を上回る伸びをみせた。

 4月のサービス開始当初は、利用可能な実店舗がツルハドラッグやタワーレコードの一部店舗、高島屋の一部店舗など限られていたが、9月11日から全国1万4000店超のローソンでの取り扱いが始まり、がぜん利用価値が高まった。同日から10月末まで、d払い対応の実店舗での購入額に応じて通常の10倍のdポイント進呈キャンペーンを展開したこともあって、注目度が高まったと考えられる。

 その後も、11月27日からドラッグストアのウエルシアグループ約1800店に続いて、12月4日から全国のファミリーマート約1万7000店でも利用可能になり、同日から1週間、通常の20倍のdポイントを進呈するキャンペーンを実施するなど、認知向上と利用者獲得に余念がない。ただしこの12月は、ヤフーとソフトバンクの共同決済サービス「PayPay(ペイペイ)」の100億円還元キャンペーンに食われてしまった感はある。

 ドコモとしては、18年夏シーズンからAndroid端末全機種に「d払い」アプリをプリインストールしてダウンロードの手間を省いたことで、利用者が増えることを期待している。PayPayの100億円キャンペーンの嵐が過ぎ去った後、本当の戦いが始まりそうだ。

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