ランドセル、サンドイッチ、ティーバッグなどもイノベーション事例と言える。サンドイッチには技術的な革新はないが、今までの食事のあり方を一変させた。イノベーション=技術革新と考えてきた人にとっては、違和感があるかもしれないが、身近なイノベーションはたくさんある。
具体的にイノベーションという言葉をイメージするために、私が最も「しっくりきている」イノベーション事例が掲載されている私のバイブルとも言える本を紹介します。それは、子供向けに出版されている「発明・発見のひみつ」(発行は学習研究社)というマンガ本です。
出版時期によってその内容も変わっていますが、概ね50個程度の発明品とそれを生み出した人や発明秘話をマンガで解説しています。おそらくは読者の皆さんの中にも、この本を読んで育った方は少なからずいるでしょう。私はイノベーションに関連した講演や学会発表の機会などで、この本を読んだことがある人に挙手を求める場合があるのですが、5%くらいの割合で読者がいるように思います。子供向けのマンガ本とあなどるなかれ。イノベーションの定義や発生するメカニズムについて、なかなか本質的なことをこの本からは読み取ることができます。「発明・発見のひみつ」で触れられている発明事例はどのようなものがあるのでしょうか。
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