個人で優秀、集団でさらに優秀なピクサー

 いったいなぜ、日本企業の“下請け化”が進行しているのか。理由はいくつかありますが、今回はその1つ、組織の問題を取り上げることにします。

 アニメーションスタジオの米ピクサーには、「Collective Creativity(集団の創造性)」を高めるための3つのルールがあります。1つ目は、誰もが誰とでも自由に話ができること。2つ目は誰でも自由に意見が言えること。3つ目は、最先端技術の情報を全力で収集すること。

ピクサーが重視する「集団の創造性」には3つのルールがある
ピクサーが重視する「集団の創造性」には3つのルールがある

 1つ目の「誰もが誰とでも自由に話ができる」というのは、全ての社員が他部門の社員と上司の承認を得ることなく自由に話せます。日本の会社でそんなことをしようものなら「非常識だ」「“上”を通せ」と周りから封じ込められてしまうのがオチですよね。

 2つ目の「誰でも自由に意見が言える」は、1つ目と似ているようですが、あるチームのプロジェクトに、チーム外の社員がアイデアを出してもいいということです。別の視点や角度から意見が舞い込めば、プロジェクトにプラスになることも多々ありそうです。

 3つ目の「最先端技術の情報を全力で収集する」は、最先端技術に常に敏感でいて、今度はどんな映像表現ができそうなのかを考えて新作に生かすということ。長編アニメーションは企画から完成まで数年かかるので、先を見すえながら、最先端技術の取捨選択をするのも大事なことなんですよね。

 3つともいたってシンプルなルールですが、日本の会社にはなかなかできないことだったりします。言うまでもなく、ピクサーの社員はそれぞれに優秀ですが、集まって組織になったときに、さらに優れたパフォーマンスを発揮します。この3つのルールが示すように、それが可能になるように、仕組みや場をつくっているからです。