グーグルはGoogle Homeでもうけるつもりがない

 生活に密着してあらゆるサービスを提供していこうというグーグルですが、同じ生活密着型でも米アマゾンと違って、モノを買ってもらってもうけようとはしていません。その分、どこで収益を上げているのかが一般には見えにくいですよね(親会社である米アルファベットの売り上げは8割以上が広告収入)。

 Google Homeが日本で発売されたのは2017年秋のことですが、スマートスピーカーとしては価格が抑え気味。大型量販店では値引きしているところもあります。これを「販売が想定数を下回って焦っているんじゃないか」とみるのは間違い。彼らはハードでもうけるつもりがないんです。ハードは安売りしてもいいから、まずユーザーをつかむ。ユーザーの情報をつかんで、うまい広告を打ってもうける。それがグーグルのビジネスモデルです。

 ハードだけでなく、その周辺のサービスやビジネスでもうけるという意味では、プリンターなどとも共通するビジネスモデルともいえるかもしれません。プリンター本体は最近では数千円で買えますが、実際にプリンターを使って印刷するにはインクを買わなければならない。プリンターは消耗品で利益を上げるビジネスになっています。

 取材現場で見かけるICレコーダーなどは、これと逆のビジネスです。消耗品がなく、ハード単体で成立している分、ハードをある程度高いまま売るしかなく、利幅は小さい。その中で利益や他製品との違いを出すため、差別化のための差別化に走ってしまうメーカーが多いのが実情です。

自己主張が強すぎない製品デザイン

 グーグルのハードウエア製品は、外観デザインも洗練されてきた印象があります。スマートスピーカー同士のデザインを比べるなら、私はアマゾンの「Amazon Echo」よりGoogle Homeのほうに軍配をあげます。

Google Home(左)とAmazon Echo(右)
Google Home(左)とAmazon Echo(右)

 Amazon Echoは筒形の筐体の前面に「amazon」とロゴが入っていますが、Google Homeは前面にロゴはなし。筐体背面には「G」と1文字入っているだけ。あとは音声認識の際に、天板に搭載したLEDランプが同社ロゴに使われている4色に点灯するぐらいで、社名やブランド名の主張は控えめです。それでもすでに「G」だけでグーグルと分かるブランディングが成立しつつあります。Gのマークはこの先、こうして使われることで、米アップルのリンゴマークのように認知度が高まっていくのでしょうね。

Google Homeは背面に「G」の1文字が入っているだけ
Google Homeは背面に「G」の1文字が入っているだけ
Amazon Echoには筐体の前面下部に「amazon」とロゴが入っている
Amazon Echoには筐体の前面下部に「amazon」とロゴが入っている

 両社のデザインには、その企業の姿勢が表れているように思います。アマゾンは日用品を含むあらゆる商品を取りそろえて日常に入り込むことで、「アマゾンがなくては生活できない」と感じさせてユーザーを囲い込む戦略を取っています。グーグルも日常に入り込んでいますが、ユーザーとの関わり方はもう少しライトです。「Google」というブランドを前面に押し出してくるのではなく、さりげなく浸透させていく。GoogleマップやGoogleフォトなど、グーグルのサービスだとあまり意識することなく利用している人は多いでしょう。もともとグーグルの本業だった検索にしても、スマートフォンに話しかけたり、スマホのホーム画面に常駐している検索窓に入力したりする使い方が増えて、ハードルが低くなっています。グーグル側から関連情報やレコメンドも提供されるので、意識的に検索する回数自体、減るのかもしれません。