自分で作ることで相手の考えを想像する訓練になる

 DEARWONDERでは、自分で問題を作って、ほかのユーザーに公開(シェア)することもできます。これも創造的知性の発達につながると思います。プレーヤーはこの問題をどう捉え、どんな考えに至ってボールを動かすだろうかと、相手の思考を想像しながら作っていくことになりますから。

 問題を作るときは「シャーベット」「ポップ」「アースカラー」など、トーンを統一した数種類の「パレット」から色を選べるようになっています。グラウンドや配置するオブジェクトそれぞれのカラーリングにも個性が出るんですよね。日本以外へも配信していくので、国民性や思考パターンの違いも出てくるはずですし、その違いを楽しんでもらえたらいいなと思います。

自分で問題を作るときはオブジェクトの形を選んで設置していくだけ。自由度が高い分、悩むかもしれない
自分で問題を作るときはオブジェクトの形を選んで設置していくだけ。自由度が高い分、悩むかもしれない
オブジェクトやグラウンドの色なども好きに設定できる
オブジェクトやグラウンドの色なども好きに設定できる

 正式リリース前にワークショップをいくつか開いてきましたが、解き方にプレーヤーの性格が出るのが面白いです。画面をじっと見て頭の中で解法を探る人もいるし、とにかくボールを動かしてゴールにたどり着く人もいます。子どもにやってもらうと、集中力が高いことにびっくりしますね。解いたときにいい笑顔を見せてくれるのがうれしいです。

 親子向けワークショップに参加した保護者の方々からは「夢中でカタチにしている姿がキラキラしていた」「意欲的に楽しく取り組んでいた」などの感想とともに「ぜひ継続させたい」との意向を示していただきました。

正式リリース前に子供を対象としたワークショップを開いた。子供でもすぐに使えた
正式リリース前に子供を対象としたワークショップを開いた。子供でもすぐに使えた

 実はアプリの企画は2015年から練ってきました。子どもでもサクサク使えるように、いろんなものをそぎ落として、今の形になりました。プログラミングを担当した技術者からは「説明文を載せないと、遊び方が分からないんじゃないか」とも言われたけど、説明書の類ってどうせ読まないでしょう。分かりづらいから説明するんじゃなくて、説明なしでも直感的に理解できるように作るほうが大事ですよね。「説明書がないと使い方がわからない」なんて言っているのは、頭が固い大人だけです(笑)。

 説明文はないし、ユーザー・インターフェースは英語だけど、誰でもすぐ使えるものができたと自負しています。子どもでも、大人が一度やってみせれば、戸惑いなく遊びますよ。子供の場合は、英単語じゃなく、どの位置にどういう機能を持ったボタンが出てくるのかを覚えるみたいです。効果音に「ぽちゃっ」とか「ぶにゅっ」みたいな少し汚い感じの音も用意したんですけど、これも子どもにウケてます(笑)。

DEARWONDERのコンセプトムービー
動画は前刀氏が自分で1コマずつ図形を書いて作った力作だそうだ
動画は前刀氏が自分で1コマずつ図形を書いて作った力作だそうだ

 DEARWONDERのキャッチフレーズは「Create Yourself」です。自分を解放し、子どもになって、自分を創る力を磨いてください。毎朝のほんのひとときでもアプリに触れて、思い込みから自由になることから始めてもらえたらと思います。

関連リンク
DEAR WONDER

(構成/赤坂麻実)

当記事は日経トレンディネットに連載していたものを再掲載しました。初出は2017年6月9日です。記事の内容は執筆時点の情報に基づいています