大乱戦となっているQRコード決済サービスの制覇へ向けて連日、十億円単位の投資が続く。2018年7月30日には、楽天がぐるなび(時価総額は約490億円)の株式9.6%(約40億円)の取得を発表。NTTドコモは同日、タクシー配車アプリ「全国タクシー」を展開する日本交通グループのJapanTaxiの22億円強の第三者割当増資を引き受けると発表した。日本でQRコード決済は定着するのか、どの事業者が勝利を収める可能性が高いのか、今後の展開はどうなるのかなどを、特集最終回で追った。

楽天はぐるなび創業者で会長である滝久雄氏から、出資比率9.6%相当のぐるなび株式を譲り受け、ぐるなびと資本業務提携を結ぶ。業務提携の中には、「ぐるなびポイント」を楽天の運営する共通ポイント「楽天スーパーポイント」へ交換できるサービスの開始などに加え、「ぐるなびの加盟飲食店においてユーザーが利用できる決済方法のPRにおける楽天カード及び楽天ペイの表示」が入っている。このため、ぐるなびのサービスを有料で利用している約6万店の加盟飲食店の店頭で、「楽天ペイ」を使ったQRコード決済の利用に拍車がかかりそうだ。
一方、NTTドコモは、22億円強の第三者割当増資を引き受け、20%弱の株式を保有する格好で、JapanTaxiと資本業務提携を結んだ。こちらも業務提携の目玉として、18年7月から全国約6万台のタクシーに順次導入を始めた、QRコード決済機能を搭載したJapanTaxiの車載タブレットで、ドコモの「d払い」を利用できるようにする。
これまで日本交通グループのタクシーの乗客がQRコード決済で支払うには、タクシー利用専用のJapanTaxiアプリにクレジットカード番号などをあらかじめ登録する必要があったが、d払いを使えばその手間が省ける。楽天とぐるなびの提携と同じく、こちらの提携も、QRコード決済の利用を促進する狙いがあるわけだ。
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