将来のTポイントとのデータ連携も視野に

 もう1つ、Yahoo!ウォレットを使ったQRコード決済サービスの普及を考えるうえで外せない要素がある。ヤフーが提携するTポイントの存在だ。これが3本目の矢として期待できる。先行するLINEも楽天も、ポイント還元率を高めることで、ユーザーがQRコード決済を利用するよう仕向けている。ヤフーの場合も、Tポイントをどのように活用するかが普及のカギを握りそうだ。

 また、レコメンドサービスを展開するうえでも、Tポイントと連携できれば、ヤフーがグループとして把握しきれないユーザーの行動履歴を、Tポイントの利用履歴から分析できる。「現在はデータの収集・分析という面でTポイントとYahoo! JAPAN IDをひも付けてはいない。まずはユーザーの許諾を取る必要があるが、将来はデータの収集・分析の面でも連携できる可能性はある」と谷田氏は言う。

 もっとも、マーケティングツールとしてのYahoo!ウォレットが機能し、レコメンドサービスを展開できるようになるのは、「どんなに早くても今秋から」(谷田氏)の見込み。現状では、「リアルな小売店から得られるデータの量が乏しい」(同氏)からだ。サービスを導入する小売店を今秋までに急増させることが第一歩となる。

 「LINEが掲げる目標ぐらいは、リアルな小売店を開拓していきたい」(谷田氏)。つまり、Yahoo!ウォレットを使ったQRコード決済サービスを、年内には100万カ所程度で利用できるようにしたいというのがヤフーのもくろみと言える。「手数料0円」や「マーケティングツールとしての活用」に加えて、どんな手立てを繰り出してくるか。グループの総力の結集が求められるだろう。

(編集部注)本記事掲載の4日後、ヤフーはソフトバンクとともに本事業を進めることになった。詳細は「QRコード決済サービスにソフトバンク全面参入、ヤフーと連携」の記事で。