WBJのローカルプロダクションは、これまで2つのステップを踏んできたと言ってよい。第1期は池田氏自身が邦画・アジア映画制作部長として指揮を執った03年から07年まで。香港の映画プロデューサー、ビル・コン氏と組んで、『HERO』『LOVERS』『僕の彼女を紹介します』の3本の映画を配給して計100億円弱の興行収入を稼いだり、クリント・イーストウッドの企画からスタートした『硫黄島からの手紙』で興収約51億円を稼いだりした。日本の外から持ち込まれた企画を、日本法人が配給し、国内のプロデューサーから持ち込まれたアニメ『ブレイブ ストーリー』や映画『デスノート』に製作参加や配給をする時期と位置づけられる。

『硫黄島からの手紙』
『硫黄島からの手紙』
クリント・イーストウッドの企画を基に、当時のワーナー ブラザース日本法人が参加し、世界中でヒットした映画。2006年公開の日本では興収約51億円を達成した。ワーナー ブラザース日本法人のローカルプロダクション(自社製作部門)はこの他にも、「るろうに剣心」シリーズなど多くのヒット作を製作してきた ©2007 Warner Bros. Entertainment Inc. and DreamWorks LLC. All rights reserved

 次いで第2期は17年までの約10年。「るろうに剣心」シリーズ3作、「銀魂」シリーズ2作など、外資系にもかかわらずWBJが製作委員会の幹事となって、日本で邦画大作を製作し、成功できるようになった時期と位置づけられる。

アニメは「日本発世界へ」を実現

 私が復帰してからの時期を、自分の中ではWBJのローカルプロダクションの第3期と位置づけています。目標は日本を世界のコンテンツセンターにすること。具体的には、ローカルプロダクションが手掛ける映画、テレビシリーズ、アニメという3つの領域で、日本のクリエーターが企画から関わった作品を、世界市場にも流通させていくことです。今回始めたプログラムも、その目標を達成するための一環です。

 実は既に軌道に乗り始めた領域もあります。アニメがそれです。DCコミックス刊行の『バットマン』のキャラクターを原作とする『ニンジャバットマン』というアニメ作品は、監督も脚本も作画もすべて日本のクリエーターでWBJが製作した作品です。日本では18年に劇場公開して、思ったほどの興行成績を残せませんでしたが、ネット配信やブルーレイ/DVDで発売した欧米などでは大受けで、収入の9割以上を海外で稼ぎました。

 今後はアニメはもちろん、映画やテレビシリーズも、WBJで継続的に製作し、世界市場で勝負していきたいと考えています。

Point3
アニメの自社製作にも力 既に世界市場進出を実現

WBJでは今後、映画、テレビシリーズ、アニメを3つの柱に、ローカルプロダクションを進めていく予定。アニメの領域では既に、Netflixなどネット配信のプラットフォームを活用して、日本発コンテンツの世界市場への進出という実績を上げ始めている。

『ニンジャバットマン』(英語タイトル:BATMAN NINJA)
『ニンジャバットマン』(英語タイトル:BATMAN NINJA)
DCコミックスの人気キャラクター、バットマンを起用し、劇団☆新感線の座付き作家、中島かずきが脚本を担当するなど、ほぼ全員を日本のスタッフで製作したオリジナルアニメ作品。バットマンのキャラクターが定着している欧米では大受けした Batman and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics.©Warner Bros. Japan LLC

(写真/室川イサオ)