京都大学在学中にドリコムを起業し、わずか4年3カ月で東証マザーズへ上場させた内藤裕紀氏(1978年7月7日生まれ)。時価総額1000億円企業の社長として時代の寵児となった内藤氏は、一転して窮地に立たされる。幾多の苦境を乗り越え、新規事業を成功させてきた秘訣は何か。津田大介が聞くインタビュー前編。

津田 内藤さんがドリコムを創業したのは京都大学在学中でしたよね。学生ネットベンチャーの第2世代がもう現れたのかと当時思った記憶があります。
内藤 そうです。2001年に創業して、もう17年たちますね。
津田 もう17年も前の話ですか! もともと起業を考えていたのでしょうか。
内藤 高校生の頃から事業を起こしたいと思っていました。東京出身で高校も東京だったのですが、京大はノーベル賞受賞者も多いし、起業するなら良さそうだとよく調べずに経済学部に入学したんです。でも、授業を受けてみると、マルクス経済学がどうだこうだとかで、これじゃ起業の役には立たないな、と。結局、最初の試験を受けたくらいで受講をやめて、あとは起業の準備を続けていました。
津田 ITで起業するというのは決めていたのですか。
内藤 全く考えていなかったですね。インターネットに触れたのも大学に入ってからでした。当時はまだダイヤルアップ接続で、画像が1枚表示されるのに何分もかかった時代。でも、「これは世界が変わるな」と可能性を感じて、インターネットに傾倒していくようになりました。
津田 大学でインターネットに触れて、起業の方向性が決まったと。
内藤 ただ、今のようにブログや「Twitter」があったわけでもなく、新鮮な情報がなかなか入ってこないんですよ。東京では(渋谷中心に若手ネット企業経営者が集う)「ビットバレー」というムーブメントが起こっているのに、関西にいるとその情報が半年遅れでようやく届く。なぜ京都に来てしまったのかと後悔しましたね(笑)。
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