グリーが幾多の窮地を乗り越えて成功をつかんだ秘訣は、トレンドを予測し、その波に乗り続けることにあった。グリーの成長を内側から支えてきた共同創業者の山岸広太郎氏は今、大学発のベンチャーキャピタルに軸足を移している。ベンチャーキャピタリストとして、「伸びる事業」をどう見極めているのか。津田大介が聞く。

津田 現在は、慶應義塾大学発のベンチャーキャピタル(VC)慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)の社長として、ベンチャーを後押しする側に回っているわけですが、グリーの次のことを考え出したのはいつごろですか。
山岸 今の仕事につながっているところでは、2008年、グリーが上場したあたりでしょうか。その頃から、慶応大学に寄付というかたちで教育や研究の支援に関わるようになりました。そんななか、大学発のベンチャーから「寄付だけじゃなくて出資もしてくれないか」とお願いされて、14年9月から個人的に出資もするようになりました。お金だけじゃなくて、会社の立ち上げから経営戦略、大企業との契約交渉など、自分の経験も役に立つんじゃないかと。
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