若者研究の第一人者として知られる博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー、原田曜平氏が主催し、大学生が今どきのヒットを報告するプレゼン大会。そこで挙がった注目の商品・サービスを編集部がセレクトし、若者ヒットの理由を探る連載。今回は、業界初の“透明盛り”写真が撮れるとあって、爆発的な人気を呼んでいる最新プリントシール機「SUU.(スーーー)」(フリュー)を取り上げる。

フリューの最新プリントシール機「SUU.(スーーー)」は、半透明のシールが売り。青空や花にかざしてスマホで撮影し、Instagramなどに投稿する遊び方ができるのが人気の秘訣
フリューの最新プリントシール機「SUU.(スーーー)」は、半透明のシールが売り。青空や花にかざしてスマホで撮影し、Instagramなどに投稿する遊び方ができるのが人気の秘訣

 1995年、“プリクラ”の愛称で親しまれた「プリント倶楽部」が登場して以来、20年以上たった今もゲームセンターなどで見かけるプリントシール機(プリ機)。96年に市場規模が約1000億円に達した爆発的ヒットからは大幅に縮小したものの、近年は約250億円規模でおおよそ横ばい傾向にあり、女子高生を中心に10代~20代前半の若い女性の間でいまだに根強い人気を誇る。シール自体を保管して自分で見返したり、友人と見せ合ったり、あるいは画像データをSNSなどで発信する遊び方が主流だ。

 女子高生もスマートフォンを当たり前のように持つ今の時代。写真を撮るならスマホで事足りるはずだが、そんな中でもプリ機が支持を得ているのは、若い女性が追い求める「かわいく盛れる」機能が充実しているからだ。プリ機本体のカメラは高性能の一眼レフを用い、プロ仕様のライティングで被写体を撮影。目や鼻、顔の輪郭などを若い女性が好みそうな形に自動補正して、写真上で理想の自分に“フル整形”してくれる。そうやって「かわいく撮りたい」需要を着実に捉え、女子高生などにとっては、今も廃れない必須の“遊び道具”として活躍している。

 そのプリ機で、最近、特に支持されている新機種が、2018年3月に登場した「SUU.(スーーー)」。開発元は業界最大手のフリューで、同社が展開している最新5機種の中ではツートップに入る人気ぶりだ。最大の特徴は、撮影した画像を印刷するシール紙を光が透過するよう半透明にしていること。「肌や髪に透明感が出てかわいく盛れる点、シールが透き通っている珍しさが受けている。今年、若い女性の間で透明感のあるメークがはやっていることも、追い風」(フリュー)。いわば、業界初の“透明盛り”がヒットにつながっているのだ。

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