若者研究の第一人者、原田曜平氏が主宰する若者ヒットのプレゼン大会に参加する高校生、大学生が、2021年のZ世代トレンドをまとめた。長引く新型コロナウイルス禍に翻弄されつつも、新たなトレンドが生まれた1年。そこから見えてきたのは、新型コロナウイルス禍が継続している22年につながるZ世代ヒットのインサイトだ。
今回、原田曜平氏のプレゼン大会に参加する高校生、大学生メンバーがまとめたZ世代トレンドは、大きく3つの切り口がある。
挙がったキーワードが最も多いのは、「(1)コロナ禍だからこそ生まれたニーズ」。人に会えない生活が続いたこと、巣ごもり生活で退屈する時間が増えたこと、海外に行けないことなど、コロナ禍でストレスをためた若者たちは、ネット上で“映える”チャレンジ企画に熱中する一方で、自身を見つめ直す内省欲求も高めた。また、リアルで人に会うことが“貴重な機会”となったぶん、その時間を特別なものにしようと、絵画教室バーなどの体験型店舗の人気が高まった。
もう1つの切り口が、「(2)従来のインサイトの続き」だ。オーロラカラーや雲、チョウチョウなど、毎年生まれるインスタ映えモチーフに新たなものが加わった。また、食べ方が特徴的で動画映えする「地球グミ」なども流行。「この食べ方、面白いでしょう?」という体で、食べる様子の自撮りを投稿できる。こうした投稿を見た人に「自意識過剰な人」と思われることを避けながら自撮りをSNSに投稿する、「自撮り免罪符」といったキーワードは、2020年のZ世代トレンドとしても挙がっていて定着した感がある ▼関連記事:2020年Z世代トレンド 若者に刺さった『時限食』とは?【前編】 。
そして、今回最も注目したいのが、「(3)従来のインサイトから脱却」したトレンドが生まれたことだ。具体的なキーワードとしては、「パーソナライズレス」「ニューレトロ」の2つが挙がる。これらは、21年に兆しとして見えてきたもので、22年のZ世代トレンドの“本流”となる可能性もある。では、詳しく紹介していこう。
パーソナライズ、昭和レトロブームは終わった?
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