Z世代から圧倒的な支持を受け、完売続出のパーティーゲーム「ウェイウェイらんど!」をご存じだろうか。ミニボトルのリキュールと、すごろくをセットにした商品で、コロナ禍で広がった宅飲みを盛り上げるツールとして脚光を浴びている。この斬新なゲームの生みの親が、Z世代向けの商品企画やプロモーションを手掛ける、僕と私と(東京・渋谷)代表の今瀧健登氏(24歳)だ。Z世代ヒットを生む秘訣を、若者研究の第一人者である原田曜平氏が聞いた。
原田曜平氏(以下、原田) 新型コロナウイルス禍で若者の間でも宅飲みが主流になる中、酒飲みパーティーゲーム「ウェイウェイらんど!」が大ヒットしました。そもそもどんなゲームですか。
今瀧健登氏(以下、今瀧) 若者に人気のドイツ生まれのリキュール「クライナーファイグリング」(以下、クライナー)が20ミリリットル入ったミニボトル12本と、すごろくがセットになったパーティーゲームです。そのミニボトル自体が駒となり、専用のスマホアプリに表示されたサイコロをタップして回し、出た目の数だけマス目を進みます。
マス目には、若者たちの酒の席でよくある話がユーモアたっぷりに書かれていて、さらに「今日は天気がいいのでとりあえず乾杯」「木を揺すったら酒が落ちてきた、飲んでおこう」など、駒として使っているミニボトルを飲み干す指示が、ところどころに仕込まれています。ゲームが進むほどクライナーを飲んで酔いが回り、「ウェーイ!」と全員が上機嫌になって飲み会が盛り上がる設計です。
原田 私はこのゲームを見たとき、「この手があったか!」と、思わず膝を打ったことを覚えています。20年以上、若者研究をする中で、「若者のお酒離れ」はずっと課題として言われ続けていて、クライアントである大手酒類メーカーからも「何とかならないか」と再三相談を受けてきました。
ただ、なかなか決定打を見いだせなかったのが正直なところ。そうした中、ウェイウェイらんど!が登場して、「そうか、お酒とすごろくを一緒にして売ればよかったのか」と、衝撃を受けたわけです。「若者にはモノを売らずにコトを売れ」というのも言われ続けてきたことですが、この商品こそ“コト化”の好例といえます。どのように思い付いたのですか。
発売から僅か2週間で完売、大ヒットのワケとは
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