若者研究の第一人者であるマーケティングアナリストの原田曜平氏が主宰する若者ヒットのプレゼン大会。今回、プレゼンに参加する高校生、大学生のメンバーが、「2021年下期Z世代トレンド」をまとめた。そこで挙がった7つのキーワードを詳しく解説する。21年10月に緊急事態宣言が解除されたこの下期、彼ら彼女らの間ではやったものとは?

大正時代がコンセプトの店内で、大正風のレンタル着物を着付け、映える写真が撮れる「浅草 大正ロマン館カフェ」。若者の人気スポットになっている(写真提供/時代屋)
大正時代がコンセプトの店内で、大正風のレンタル着物を着付け、映える写真が撮れる「浅草 大正ロマン館カフェ」。若者の人気スポットになっている(写真提供/時代屋)
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 2021年下期は、若者にとって流行のターニングポイントとなった。緊急事態宣言が解除されたことを受け、家の外での消費が活発化したのだ。ただ、一方でwithコロナの“巣ごもり”生活で伸びた家中(イエナカ)需要も引き続き堅調。家の内外で同時にトレンドが生まれた。果たして何がヒットしたのか。

キーワード(1)
【大正レトロ】
“昭和飽き”からさらに時代を遡る

 近年、若者の間の代表的なトレンドが「昭和レトロ」だ。カフェではなく昔ながらの喫茶店、あるいは使い捨てのフィルムカメラ、レコード。音楽でいえば1980年代に一世を風靡したシティポップ。また、復刻した石塚硝子のプリントグラス「アデリアレトロ」や象印マホービンの「象印花柄復刻シリーズ」など、アンティークなデザインが若者の目には新鮮に映り、人気を博している。

 ただ、すでに一部の若者の中には昭和テイストにやや飽きを感じる層も出てきている。とはいえ、レトロなものを「かわいい」「楽しい」と思う気持ちは変わらない。そこで、新たに注目されているのが、昭和の1つ前である大正時代を指す「大正レトロ」のトレンドだ。

 主な楽しみ方は、浅草や川越、鎌倉などの観光地で、大正時代をほうふつとさせる着物やはかまなどをレンタルし、散策したり、写真を撮ってSNSに上げたりすること。例えば、浅草で着物レンタル店を営む「愛和服」では、着物とレースの帽子や手袋、レトロバッグなどをセットで着付ける「大正ロマン・レトロプラン」を提供し、人気を集めている。

 また、同じ浅草で21年9月にオープンした飲食店が「浅草 大正ロマン館カフェ」。大正ロマンの世界観を表現した店内で、店内には多数の映えスポットが用意され、撮影して投稿する女子が後を絶たない。同店を運営する「時代屋」は、21年12月、同じ建物内に大正風のアンティークな着物やハイカラなはかまを貸し出す「大正ロマン館きもの」も始めた。

 一方、京都には大正時代をコンセプトとしたレトロな洋装をレンタルし、店内に撮影スポットも用意する「大正洋装店」が注目を浴びている。従来、京都といえばオーソドックスに着物を借りて街歩きを楽しむ若者がいたが、同店を利用し、大正時代へのタイムトリップを楽しむ女子やカップルが増えているという。

 「流行した背景には、大正時代の設定である『鬼滅の刃』を見て、その服装や雰囲気に関心が高まったこともある。また、世間の雰囲気が暗くなると大正ロマンがはやるという説もある。いつ再びコロナ禍がぶり返すか分からない中、新たな時代の幕開けとなり、前向きなムードにあふれていた大正の文化に若者たちは引かれている」と、原田曜平氏の若者ヒットプレゼン大会に参加する慶応義塾大学の塚田匠さんは話す。

Z世代を魅了する「平成」「ネオサウナ」とは?

キーワード(2)
【平成タイムリープ】
平成の“ギャル文化”を追体験

 “昭和飽き”からのもう一つの流れとして起こっているのが、令和の1つ前の時代である「平成」の初期・中期トレンドを、現代の女子高生たちが、まるでタイムリープするように追体験することだ。

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