Z世代のマーケティングアナリスト、原田曜平氏が主催し、高校生、大学生が若者の流行を発表するプレゼン大会。今回、彼ら彼女らがまとめたのは、2021年にヒットが予想されるZ世代トレンドだ。「デカ映え」「隠れメーク男子」「パーソナライズサブスク」「0.5手間」「おじフード」など、厳選9トレンドを紹介する。
現役の高校生、大学生の間では、今何がはやりはじめており、2021年のビッグトレンドとなって消費を動かすのか。リアルタイムでヒットしている商品やサービスをもとに、21年のトレンド予測をキーワードで示したのが下記の表だ。では、一つひとつ解説していこう。
[キーワード①:デカ映え]
巨大フードのメッカ、浅草が人気急上昇
Z世代の間では、21年もいかにSNSで「映える」写真や動画の投稿をできるかが最大の関心事の1つであることは変わらない。ただし、従来の華やか、かわいい、おしゃれを追求する映えとは一線を画した投稿が増えそうだ。それが、とにかく大きなドリンクやフードを提供する店に行って撮影し、投稿する「デカ映え」だ。
例えば、若者に人気の居酒屋でヒットメニューとなっている「出世サワー」。値段は変わらず、オーダーを重ねるごとにグラスのサイズが大きくなる(=出世する)のが特徴だ。「大衆肴天ぷら 娯楽」(大阪・堺市)などで提供され、1杯目は300ミリリットルだが、5杯目には2リットルにもなる。もちろん、サワーがなみなみと注がれたどでかいグラスをスマホで撮って投稿するのが第一目的だ。
さらに、デカ映えはテークアウトフードにも及ぶ。筆頭が、巨大な台湾から揚げ「大鶏排(ダージーパイ)」だ。台湾の夜市で最もポピュラーなソウルフードの1つで、鶏ムネ肉1枚を薄く伸ばして衣をつけて油でさっくりと揚げている。専門店である「炎旨大鶏排(エンシダージーパイ)」(大阪市)や、「横濱炸鶏排(ヨコハマザージーパイ)」(横浜市)で提供され、面前で写真を撮ると女性の顔が隠れるほどの衝撃的な大きさが、格好のデカ映えのネタとなった。
こうしたトレンドを追い風に人気がうなぎ登りなのが、東京下町の観光地である浅草だ。コロナ禍で外国人観光客が姿を消してしまった代わりに、若者の姿が目立つようになった。要因の1つが、デカ映えするワンハンドフードが豊富なことだ。
代表格が「たこの鳴き声 浅草店」が提供する、イイダコを丸ごと特製ダレに漬けて1トンの力で一気にプレスし、巨大化させたタコせんべい。大鶏排と同様に顔が隠れるほど大きく、「一緒に撮ると顔が小さく見える小顔効果もある」と、思わぬ理由も加わり女性の心をつかんだ。浅草では、「安心や」という店が台湾発の巨大からあげ「炸鶏排(ザージーパイ)」を提供し、他にも老舗の花月堂が販売する名物「ジャンボめろんぱん」があるなど、巨大テークアウトフードのメッカになっている。今や、デカ映えを狙うZ世代の人気エリアと化しているのだ。
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