若者研究の第一人者である原田曜平氏が主催する若者ヒットのプレゼン大会。今回は、新型コロナウイルスの影響下で、若い女性を中心に広がっている自宅の部屋に花を飾るトレンドを追う。月額1000円強で毎日花がもらえる老舗生花店のサブスクサービスから、まるで平面に描いた絵のように見える「2D花瓶」まで、手軽に部屋が“映える”商品・サービスが人気だ。
2020年8月末、新宿駅西口地下にある生花店「日比谷花壇 新宿小田急エース店」のレジ前に行くと、様々な種類の生花が1本入った専用のビニール袋が什器(じゅうき)に掛けられ、ズラッと陳列されている光景が目に飛び込んできた。日比谷花壇が提供する「ハナノヒ」というサブスクリプション(定額課金制)サービスの「イイハナプラン」用に設けられた、花の受け渡しコーナーだ。
サブスクの会員は、レジのスタッフに受け取りに来たことを申し出て、掲示されたQRコードをスマホの専用アプリで読み込むだけで、毎日1本、生花を持ち帰ることができる。記者は食卓に合いそうなスプレーマム(菊の一種)を選んだ。その後、そばにいた若い女性も同じようにQRコードにスマホをかざし、好きな生花を持ち帰るのを目にした。後日、大手町駅近くにある「日比谷花壇 大手町プレイス イーストタワー店」にも訪れたが、その際も若い女性が同様に生花を受け取る光景に出くわした。若い女性のニーズを確実に捉えているようだ。
ハナノヒには4つのコースがあり、記者が利用したのは最も安価で手軽な月額1305円(税込み)の「イイハナ」コース。この料金で1本350円程度の生花を受け取れた。毎回350円程度の花を受け取ると、4回利用すれば月額料金の元が取れる。仮に1カ月毎日利用すると、通常なら1万円以上かかるはずが、わずか10分の1で済む計算。破格の料金設定だ。
帝国ホテルなどに店を出し、高級なイメージがある老舗の日比谷花壇が格安サブスクを展開する狙いは何か。
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