若者研究の第一人者であるマーケティングアナリストの原田曜平氏が主催する若者ヒットのプレゼン大会。今回は、高校生、大学生メンバーが選んだ「2019年下半期トレンド」をまとめた。「テラハごっこ」「2次元体験カフェ」「性のエンタメ化」など、キーワードごとに今どきの若者トレンドを総括する。

 原田曜平氏が毎月実施している若者プレゼン大会には、現役の高校生や大学生メンバーが集結し、若者の間ではやっているものや、今後ヒットしそうな商品・サービスを発表、そのインサイトについて議論している。2019年7月にまとめた「19年上半期トレンド」(関連記事)に続き、今回は若者30人の投票による「19年下半期トレンドBest10」を発表。上位5位までを解説するとともに、トレンドのキーワードまとめを軸に若者に響くヒットのツボを深掘りする。

若者が選んだ! 19年下半期トレンドBest10
若者が選んだ! 19年下半期トレンドBest10
選定方法:原田氏主催のプレゼン大会に参加する若者30人が、19年下半期にヒットした主な出来事を17件選出。それぞれに対し、各自がヒット度を10段階評価で投票し、獲得ポイント数が多い順にランキングした

1位 SNOW 「そっくり診断」

SNOWのそっくり診断を記者が試しに使ってみると、「伊勢谷友介」という結果に
SNOWのそっくり診断を記者が試しに使ってみると、「伊勢谷友介」という結果に

 「SNOW」は、スマートフォンで動物の鼻や耳などを自分の写真に合成加工した静止画や動画が撮れる、若者に大人気の自撮りカメラアプリだ。ネイバーの子会社であるスノー・コーポレーションが提供しており、全世界で3億人以上、国内でも5000万人以上が利用している。

 そのSNOWが19年秋に実装した新機能が「そっくり診断」。自分の顔写真を選ぶと、似ている芸能人を自動的に判定、表示するサービスだ。開始当初から芸能人がこぞって利用し、元AKB48の小嶋陽菜がお笑い芸人のいとうあさこに、お笑いコンビNONSTYLEの井上裕介が人気若手俳優の中村倫也に似ていると診断された結果をSNSで報告したことで話題が拡散。診断結果の微妙な“ずれ感”が笑いを取れる絶妙なネタになることから、若者の間でブームを呼び、利用者が急増した。

 以前から、自分が似ている芸能人を診断するアプリは、「そっくりさん 有名人診断」が500万ダウンロードを突破するなど若い世代に人気のコンテンツだった。あからさまに自分の口からは言い難いが、アプリの診断結果であれば、似ている芸能人として友達に自慢しやすい点が受けている。そんな中、若者ユーザーがもともと多いSNOWが、類似の機能を実装したことで大ブレークにつながった。

2位 マリオカート ツアー

 19年9月に任天堂が配信開始した、マリオなどのキャラクターたちがカートで競い合うレースゲームのスマホ版。92年から家庭用ゲーム機向けに販売している人気シリーズ初のスマホゲームであり、アプリをダウンロードして無料でプレー可能。「誰でも簡単に操作できる」「隙間時間の暇つぶしに最適」などの理由から、楽しむ若者が爆発的に増えた。ダウンロード数は同社の既存のアプリゲームを瞬く間に抜き去り、米調査会社の推計ではリリース後1カ月ほどで約1億2000万ダウンロードを突破したという。

マリオカート ツアーは簡単に操作できる点が受けている ©2019 Nintendo
マリオカート ツアーは簡単に操作できる点が受けている ©2019 Nintendo

3位 ポケモン自己分析

 人気ゲームソフト「ポケットモンスター(ポケモン)」のオフィシャルショップを運営するポケモンセンターが、新卒採用ページで提供した自己分析ツール。16個の質問に答えると、自分の個性がどのポケモン・キャラクターに近いかを診断してくれる。自分が得意なことや苦手なことを教えてくれる他、異なる個性の人とどう接すれば良いかを助言する解説もある。

 19年上半期には、自分の長所などを診断するWebサービス「性格免許証」が、仲間や知人に自分のことを知ってもらうために利用され、SNSで拡散したのと同様に、ポケモン自己分析による分析結果を投稿する若者が続出。本来は、ポケモンセンターが働く人の個性を重視する採用方針をアピールするために作られたものだが、その思惑を超えて若者が仲間同士で「自分はこんなポケモン」と純粋に楽しむツールとしても広まった。

自分の個性が近いポケモン・キャラクターが表示され、自分の長所や短所を解説してくれる ©2019 Pokémon ©1995-2019 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標
自分の個性が近いポケモン・キャラクターが表示され、自分の長所や短所を解説してくれる ©2019 Pokémon ©1995-2019 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標

4位 ハンディーファン

 19年夏、スマホとともに若者の「手」を独占した新アイテムが、持ち運びできる小型の扇風機「ハンディーファン」だ。18年から商品展開に注力してきた雑貨店のフランフランは、人気の「フレ 2WAY ハンディファン」が約90万台を出荷し、前年比800%以上の売り上げを記録。手に持つ必要がない首掛けタイプの「ダブルファン」(スパイス)や、スマホのモバイルバッテリーとしても使えるニトリの商品も軒並みヒットした。

 ダイソーやフライング タイガー コペンハーゲン、サンリオなど扱う店が増え、入手しやすくなったこともユーザーが急拡大した理由。若者に人気の韓国のK-POPアイドルが愛用している様子が拡散したことも後押しとなった。女子高校生の間では、動物の耳が装飾された「耳付きハンディーファン」が大流行し、通学中や休み時間の必需品として定着した。

フランフラン(右)と小泉成器(左)のハンディーファン
フランフラン(右)と小泉成器(左)のハンディーファン

5位 2週間で10kg痩せるダンス

 韓国人ユーチューバーのJosh&Bamuiが配信する、韓国式ダンスダイエットの動画「2週間で10kg痩せるダンス」が、19年夏に若者の間でブレーク。日本の高校生や大学生に人気のK-POPの楽曲に合わせ、2人がダイエットに役立つダンスを紹介する内容だ。誰でもまねできる簡単なダンスで構成されており、通常であれば心身共にきついダイエットを自宅で踊りながら、あるいは友人と楽しんで行えることがヒットにつながった。

 最初に短尺の動画アプリ「TikTok」で紹介されたことで話題が広がり、Twitterでは大人数で踊る体験動画などが相次いで投稿され、瞬く間に広がった。Josh&Bamuiは、異なる曲を使った様々なバージョンを配信。チャンネル登録者数は50万人以上に到達し、最も人気のあるダイエット動画は再生回数が2500万回以上と、圧巻の数字をたたき出している。

激しい動きもあるが、簡単にまねできて踊れる点が受けている
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