※「日経デザイン5月号」(2018年4月24日発行)の記事を再構成
ブランディングデザイナーの西澤明洋氏が、建築系の出身でありながらも現在は建築系以外の分野で活躍するデザイナーやクリエーターなどにインタビューし、発想の原点を探っていく連載「アーキテクチュアル・シンキング アイデアを実現させる建築的思考術」。今回は、地域の課題を地域に住む人たちが解決するための「コミュニティデザイン」を手掛け、住民参加型の総合計画づくりなどを推進するstudio-L代表のコミュニティデザイナー、山崎亮氏の前編。

やまざき りょう● studio-L 代表、慶應義塾大学特別招へい教授。1973年愛知県生まれ。大阪府立大学農学部で緑地計画工学専攻。メルボルン工科大学環境デザイン学部でランドスケープアーキテクチュア専攻。大阪府立大学大学院・地域生態工学専攻修了後、SEN環境計画室。2005年に「studio-L」を設立。地域の課題を地域に住む人たちが解決するための「コミュニティデザイン」に携わる。まちづくりのワークショップ、住民参加型の総合計画づくり、建築やランドスケープのデザイン、市民参加型のパークマネジメントなどに関するプロジェクトを手掛ける。主な著書に『コミュニティデザイン』(学芸出版社)、『ソーシャルデザイン・アトラス』(鹿島出版会)、『コミュニティデザインの時代』(中公新書)、『まちの幸福論』(NHK出版)などがある
西澤 明洋氏(右)
にしざわ あきひろ●ブランディングデザイナー エイトブランディングデザイン代表。1976年滋賀県生まれ。企業のブランドから商品・店舗開発など幅広いデザイン活動を行っている。「フォーカスRPCD®」という独自のデザイン開発手法により、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで含めた、一貫性のあるブランディングデザインを数多く手掛ける。主な仕事にクラフトビール「COEDO」、抹茶カフェ「nana’s green tea」、ヤマサ醤油「まる生ぽん酢」、博多「警固神社」など。BBTオンライン講座講師。著書に『ブランドをデザインする!』『クリエイティブのつかいかた』など。NHK WORLD『great gear』出演
西澤 「コミュニティデザイナー」として知られ、地域の課題を地元の人たちと解決する「コミュニティデザイン」を推進している山崎さんですが、もともとは建築出身とお聞きします。なぜ最初は建築を目指したのかをお聞かせください。
山崎 建築を志したのは大阪府立大の3年生のときで、建築が大好きだったわけではなかったんです。消去法で建築を選択したんですよ(笑)。専攻は緑地計画工学でランドスケープデザインを学びました。卒業後は建築設計事務所に就職しましたが、本来はランドスケープデザイナーを希望していたんです。
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