※「日経デザイン8月号」(2017年7月24日発行)の記事を再構成

ブランディングデザイナーの西澤明洋氏が、建築系の出身でありながらも現在は建築系以外の分野で活躍するデザイナーやクリエイターなどにインタビューし、発想の原点を探っていく連載「アーキテクチュアル・シンキング アイデアを実現させる建築的思考術」。今回は、法政大学や慶應義塾大学大学院で建築を学びつつも、現在は主にソーシャルデザインの分野で活躍するNOSIGNER代表・太刀川英輔氏の後編。

NOSIGNER太刀川英輔氏「建築とブランディングは似ている」(画像)
太刀川 英輔氏(左)
たちかわ・えいすけ● NOSIGNER 代表。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント学科特別招聘准教授。ソーシャルデザインイノベーション(未来に良い変化をもたらすデザイン)を目指し、見えないものをデザインすることを理念に総合的なデザイン戦略を手がける。グッドデザイン賞金賞、アジアデザイン賞大賞(香港)、PENTAWARDSプラチナ賞(食品パッケージ世界最高位/ベルギー)、SDA最優秀賞、DSA空間デザイン優秀賞など国内外の主要なデザイン賞にて50以上の受賞を誇る。東日本大震災の40時間後に、災害時に役立つデザインを共有する情報サイト「OLIVE」を立ち上げ、災害のオープンデザインを世界に広めた仕事が後に東京都が780万部以上を発行した東京防災のアートディレクションに発展(電通と協働)。2014年には内閣官房主催「クールジャパンムーブメント推進会議」コンセプトディレクターとして、クールジャパンミッション宣言「世界の課題をクリエイティブに解決する日本」の策定に貢献

西澤 明洋氏(右)
にしざわ・あきひろ●ブランディングデザイナー/株式会社エイトブランディングデザイン代表。1976年滋賀県生まれ。企業のブランドから商品・店舗開発など幅広いデザイン活動を行っている。「フォーカスRPCD®」という独自のデザイン開発手法により、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで含めた、一貫性のあるブランディングデザインを数多く手がける。主な仕事にクラフトビール「COEDO」、抹茶カフェ「nana’s green tea」、ヤマサ醤油「まる生ぽん酢」、福岡「警固神社」など。BBTオンライン講座講師。著書に『ブランドをデザインする!』など。NHKworld『great gear』出演

西澤 今まではプロダクトデザインを考える手法として「ノザイン」があると思ったのですが、ソーシャルという分野を得たことで、ノザインの考え方がデザインオフィスの方向性にも、うまくはまった感じがします。ノザイナーの組織自体も、その後は変わりましたか?

太刀川 確かに2011年は転換期でした。プロジェクトを通して多くの社会起業家とも知り合い、一緒にプロジェクトを推進する機会が増えました。例えば、0歳~6歳児に向けたブランド「aeru」のデザインディレクションを行っていますが、それも11年から始まったものです。子供の頃から伝統工芸品に触れることで、日本の伝統を感じてほしいといった願いを込め、日本の伝統を示す日の丸と共に、現代の生活に伝統をつなぐために動く「和える」を表したロゴマークをつくりました。またNPO 法人ミラツクの理事にも就任し、さまざまな社会起業家コミュニティーに関わりを持つことになりました。これは産官学民の100人のメンバーが集まる社会変革のためのコミュニティーを運営しており、ソーシャル分野でイノベーションを生むためのプラットフォームになっています。

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