マーケティングリサーチやパッケージデザインを手掛けるプラグの協力を得て、パーソナルトレーニングの現場観察から商品を企画する本連載。製作したプロトタイプを観察対象者に見せて意見を聞いた。専門家の助言アプリと光るトレーニングウエアのニーズが浮かび上がった。
前回は、さまざまな業界の担当者が参加するワークショップを開き、観察結果からニーズを分析。この分析結果を踏まえ、3つの商品コンセプトを立案した。
今回は、デプスインタビューを実施した。3つの商品コンセプトからプロトタイプを製作し、それらを観察対象者に見せて、意見を聞いた。同時に、パーソナルトレーニングについての価値観やニーズを掘り下げていった。
製作したプロトタイプは、専門家に相談できるアプリ「筋トレだけじゃない!パーソナルトレーニング」(案1)、発光機能を備えたトレーニング用スーツ「鍛えている部位が分かるスーツ」(案2)、体に貼るシップ「筋トレ効果増強シップ」(案3)の3つ。これらのプロトタイプについては、デプスインタビューで出た意見とともに次ページで詳しく解説する。
デプスインタビューは、プラグの専用のインタビュールームで実施した。インタビューの対象者は、観察対象のパーソナルトレーニングの生徒である上原由香さん、林見則幸さんの2人。もう一人の生徒、岩下佳代さんは、都合がつかなかったため、代わりにトレーナーの若宮悠佑さんに参加してもらった。
記事の最後に掲載した小川氏のコラムでは、一般のデプスインタビューは1対1で実施するとあるが、今回は、インタビュアーと記録係の2人が同席した。
ユーザー観察に先立ち、プラグは、ウェブアンケートにより、5501人を対象に一般消費者の日常の運動習慣を調査した。現在実施している運動について聞くと、最も多かったのは、「ウオーキング」で24.7%、2位が「スポーツクラブ、フィットネスジム」で10.9%、3位が「ジョギング」で9.7%だった。ちなみに、「パーソナルトレーニング」は0.9%にとどまった。「現在行っている運動はない」と答えた割合は、50.1%と意外に多い。
パーソナルトレーニングはまだ市民権を得ているとは言えないことが、この調査からも分かる。日常的に運動していない人が半数を占めることから考えても、パーソナルトレーニングの潜在需要は大きく、市場の成長を期待できる。今回の連載で企画している関連商品についても、アイデア次第で大きなヒットを期待できるかもしれない。
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