マーケティングリサーチやパッケージデザインを手がけるプラグが、ユーザー観察(オブザベーション)によってユーザーの潜在ニーズを探り、新商品の企画を考える連載。子供たちの家庭学習を観察して得た気づきを共有し、ワークショップ形式で商品のアイデアを議論する。

ワークショップで、各人が気づきを付箋紙に書き込み、模造紙に貼る
ワークショップで、各人が気づきを付箋紙に書き込み、模造紙に貼る
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きれいなノートに表現ニーズを見る

 第6~8回でリポートした通り、小学5年と6年の姉妹、中学2年の女子、中学3年の女子の家庭を訪問し、学習の様子を観察した。マーケティングリサーチやパッケージデザインを手掛けるプラグはこの観察結果を受けて、新商品企画を考えるワークショプを実施した。

 ワークショップに参加したのは、プラグのリサーチャー3人、デザイナー3人、広報担当者、意見の多様性を確保するため社外から参加してもらった歯科医、会計士を加えた総勢9人。

 まず、行動観察に同行したリサーチャーが、当日撮影した写真を見せながら観察内容を報告し、参加者全員が情報を共有した。その後、各人が得た気づきを付箋紙に記入し、模造紙に貼った。それを見ながら、子供と親が感じる不満や潜在的なニーズを議論した。

 まず、自分のデスクがあるのに、リビングやダイニングで勉強する子供たちの行動に注目が集まった。それに対して「食事のときに、広げた教科書やノートを片付ける必要があり、不便なはず」「テーブルが消しゴムのかすなどで汚れたら家族から嫌がられるのではないか」などの意見が出た。視点を子供の内面に向け、「親に勉強している姿を見せて評価してもらいたいのではないか」「自分が分からないところを親と共有できるメリットがある」と分析する参加者もいた。

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