奥谷孝司氏と岩井琢磨氏がオンラインとオフラインとにまたがる「場」で進行中のデジタル革命を追う本連載。今回は、九州発の大ヒット商品「九州パンケーキ」を生み出した一平ホールディングス(宮崎市)の村岡浩司社長の発想に迫る。

 村岡氏は、「九州バカ」を自称する経営者だ。『九州バカ 世界とつながる地元創生起業論』(文屋)という書籍も出版しており、その中でこう語っている。「僕は九州が大好きです。九州にしか興味がありません。極論すれば、九州だけが生き残ってくれればいいとさえ思っています」。

 村岡氏による事業のユニークなところは、「すべてのつながりが、九州を軸とした思考に集約」(著書より)されている点だ。つまり九州こそが村岡氏にとっての事業素材であり、顧客との接点を持つ「優れた場」と捉えているのだ。九州という場で、九州という場をコンセプトに、いかに他にはない顧客体験を提供できるか。その一点に集中している。

人々と九州のつながりを創出

 そのために九州という島の特徴を知り、その魅力を徹底的に掘り下げている。それを体験できる商品が九州パンケーキであり、その体験を提供する顧客接点が、九州パンケーキカフェというわけだ。

 村岡氏が展開する一平ホールディングスが目指すEngagement 4Pを描くと、以下の図のようになる。