オンライン・オフライン双方の企業が挑む「場の革命」に迫る本連載。今回は、中国のアリババ集団が展開する食品スーパー「盒馬鮮生」(フーマーションシェン)の強さの秘密を深掘りする。

盒馬鮮生にあるグローサラント(筆者撮影)
盒馬鮮生にあるグローサラント(筆者撮影)

 米Amazon.co.jpは「テクノロジーの会社」である一方、アリババは「決済の会社」だと前回書いた。

 アリババの場合、アプリを活用した「OMO」(Online Merge with Offline、オンラインとオフラインの融合)を徹底しており、これもAmazonが展開するオフライン店舗との違いだが、それだけではない。筆者らが盒馬鮮生での体験で一番おもしろかったのは、店内で食事ができる「グローサラント」の存在だった。

 店内にある巨大な生簀から魚や蟹を選び、その場で調理してもらい、店舗内で食事が楽しめる。定番の海産物はもちろん、訪問した時期に旬だったザリガニやすっぽんなども売られていた。

 「なんだ、そんなこと、テクノロジーと何の関係もないじゃないか」と思われるかもしれない。しかしここにこそ、アリババの強みがあると筆者らは感じた。

 実際に、生簀でザリガニやその他の海産物を選んでみたのだが、調理カウンターで調理法・味付けを指定すると、その場で料理してくれ、隣接したテーブルで食べられる。かかった時間は15分程度と手軽な上に、とてもおいしく、そして何より楽しかった。