オンライン・オフライン双方の企業が挑む「場の革命」に迫る本連載。今回は中国のアリババ集団と米アマゾンの店舗から見えてくる戦略の違いを読み解く。

 前回触れたように、筆者らはアリババ集団の食品スーパー「盒馬鮮生」(フーマーションシェン)などを訪れ、そのビジネスを体感。顧客時間の視点から彼らの戦略を読み解いた。それは「決済に関する個客IDを統合し、それによってさまざまな場所・時間でのシームレスな購買を実現し可視化する」ことである。だが、これ自体は、論理的にはAmazonも可能だ。

	アリババにおけるオムニチャネルフロー。Mobile Paymentがつなぐ4つの買い物行動からなる
アリババにおけるオムニチャネルフロー。Mobile Paymentがつなぐ4つの買い物行動からなる

 例えばプレオーダー&ピックアップはAmazonが米ホールフーズ・マーケットを買収する前から取り組んでいるし、ホールフーズもインスタカートとの提携によって、多様なデリバリーサービスを実現していた。ホールフーズ買収後も、その取り組みを加速させている。

 しかしAmazon Goはその中でも異彩を放つ。我々がAmazon Goを訪問した際に、テクノロジーを担当したAWSのスタッフと意見交換をする時間があった。そこで彼らが述べた言葉が、衝撃的だった。それは「ネットでの快適な買い物体験をリアル店舗でも」というものだった。ネットで我々が買い物するときは、さまざまな商品をブラウズして検討し、商品を選んだらクリックするだけだ。Amazon Goが目指す「Grab & Go」の体験は、この再現を目指している訳だ。

 しかもネットでAmazonは、我々が商品を買わなくても、検討したものをすべて把握している。Amazon Goはまさにそれを、リアル空間でも可能にしようとしているのだ。棚から何を手に取り、何を買ったか、あるいは何を買わなかったのか。「来店者の行動の全てを把握する」。それがAmazon Goが目指していることだ。

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